中村天風研究会

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<今月の言葉B>(2025年12月)

【積極的とはどういうことか】
・カリアッパ師に、お前の病の原因は戦争で人を殺した処にある。
 だから、「お前がその病に罹っていることに、強い反省の心を持た
 ねば駄目だ。その反省が、やがてお前をより幸福の者にしてくれる原
 動力となる」と言われた。
・そして、心を積極的に堅持したければ、「生まれたての心」に返るこ
 とだと言われた。「生まれたての心」とは、ドイツ語で「タブララ
 サ」だ。「タブララサ」とは、透明、何の色にも染まっていない「ピ
 ュア」なものだ。
○「生まれたての心」に自分の心を返せ、それが「積極的」だ。「ピュ
 ア」とは、「尊さ、強さ、正しさ、清らかさ」を失わないことをいう
 これを失うと、「神経系統」が弱くなってしまう。
・なんでもない時は虚心平気、自分でも惚れ惚れするような尊さ、強さ
 正しさ、清らかさを持っているかもしれないが、いざ鎌倉の時、何か
 事ある時、大抵の人はこの反対になってしまう。
 いかなる時にも、心の「尊さ、強さ、正しさ、清らかさ」を失っては
 いけない。万一、それを失うとたちまち神経系統が弱ってしまう。神
 経系統が命を生かしている中枢力(pivot)だから、それがボルテー
 ジを落とすと命もたちまちものの役に立たないことになる。
・積極心とは、また、純粋で雑念妄念のない心をいう。
(宇野千代著・天風先生座談より)


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