【人生道の要諦 その1】
1.第一義的な人生とは、心の平安を確保し、幸福感に包まれて生きる
こと。
・心の平安を確保するには、心を積極的にして生きること。すなわち、
人間らしさ、人間性を発揮して生きることだ。
・本当に心が積極的になれば、すべて解決する。積極的な心とは、尊く
強く、正しく、清い心である。
2.第二義的な人生とは、財産や地位や名誉などを目当てにして生きる
こと。
・財産や地位や名誉などは、相対的価値のものであり、それを目当てに
して生きると、常に不安、怖れ、悩みなど心の葛藤・煩悶に悩まされ
ながら生きることになる。
3.生命の流れは、心が川上で、肉体が川下である。
・「健全なる肉体に、健全なる精神が宿る」は、二番目の真理である。
一番目の真理は、「精神が健全であれば、肉体も健全になる」である
4.人間の健康を一番良くする方法は、心を善くし、大脳を活発にする
こと。
・大脳の一番大事なものは、知性ではなく、情緒の中枢、感情の中枢だ
・人間は、精神的なもっと高い情操を刺激したときに、本当に生命力が
高まる。
・情操とは、美しいもの、優れたものに接して感動する情感豊かな心の
こと。
5.人間性の高い人は、思いやりや気配りができることから、周囲に好
かれる傾向がある。
・反対に、人間性の低い人は、周囲から嫌われてしまい敬遠される。
・人間性(人間らしさ)とは、生まれながらに備えている人間の性質の
ことで、周囲への思いやり、気配り、愛情などの内面を意味している
・学歴、社会的地位、財産の有無、容姿や体型などの外見は、人間性と
は関係がない。
・人間の本質的要素は、「徳性」であり、付属的要素は、「知性」「技
能」である。
【人生道の要諦 その2】
6.「自然良能力」は、五臓六腑にあるのではなく「神経系統」にある
・免疫力や自然治癒力を高めるには、何をおいてもまず「神経系統」の
安定を図ることが最重要である。
7.神経系統を安定させる方法。
・事あるごとに、「クンバハカ」をすること。
・折あるごとに、自分の心が積極かどうかを検討すること。
・機会を見つけて、2~3分でいいから瞑想の習慣をつけること。
・朝起きたら、今日も目覚めることが出来たことに「感謝」すること。
・夜布団に入ったら、明るく、楽しく、嬉しいことのみを考えながら眠
りにつくこと。
8.人間生活の秘訣は、自分の精神を何ものかに集中する、夢中になる
にある。
・禅では、このことを「臨終ただいま」という言葉で表現している。
・精神をある一つの事に集中すると、霊感や機智が生じる。
・「自分は本来気高い存在だ」と認識すればするほど、「生命力」が高
まる。
9.常に、楽観と歓喜と、輝く希望と、溌剌たる勇気と、平和に満ちた
言葉でのみ生きなければいけない。
・自分の境遇や仕事を、消極的な言語や悲観的な言語で批判するような
言葉は、絶対に使ってはいけない。
(中村天風やその他の著作から適宜引用)