中村天風研究会

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<今月の言葉>(2025年10月)

 【健康と長寿の秘訣】
(1)人類の健康と長寿とを完全にするには、中村天風創見の「心身統
  一法」を実践すること以外にはない。
・心と体を結合統一する根本条件は、2つある。
 1、生命の「生存」を確保すること。 2、生命の「生活」を考える
  こと。

(2)「生命の生存確保」とは、心と体の両方を自然法則に背かないよ
  うにすること。
 「心」は、いかなる時にも、人生及び生命に対して、その態度を絶対
  に積極的であらしめること。
 「体」は、どんな場合にも、「肉体生命の生存条件」に背かないよう
  にすること。
・「肉体生命の生存条件」に背かないようにすることとは、次の事柄で
 ある。
 <第1、食物>
・出来るだけアルカリ性のもの、すなわち、植物性のもので、野菜と果
 物を出来るだけ余計に食べること。
・動物性の食べ物は、往々血液を酸化して、理想的な血液である弱アル
 カリ性を失わせる原因を多く持っている。
・弱アルカリ性でないと、血管の硬化を早からしめて、血圧を高めたり
 老化状態を促進する。
・特に注意すべき点は、心の持ち方が消極的であれば、せっかくアルカ
 リ性のものを食べても、酸性血液に変化させる恐れがあること。
 <第2、飲み物>
・アルコール類、興奮性の伴うコーヒーや紅茶、タバコなどを飲み過ぎ
 ないこと。
 <第3、運動>
 <第4、睡眠>
・運動も睡眠も、過ぎてもいけないが、不足してもいけない。
 <第5、深呼吸>
・新陳代謝を促進するために、クンバハカ体勢にて深呼吸をすること。
 <第6、皮膚の温熱作用>
・皮膚の病的刺激に対する抵抗力を強くすること。冷水摩擦、冷風浴、
 冷水浴等。
・全項目で大事なことは、月日を追ってだんだん慣れること、習慣化す
 ることだ。

(3)「生命の生活を考える」とは、心も体も、その可能率を促進する
  こと。
 「心」は、使用する時には、必ず精神を統一すること。
 「体」は、訓練的に積極化すること。体の抵抗力や耐久力などを力強
  くすること
・「訓練的に積極化」とは、「習うより慣れよ」という人間の生命に存
 在する自然性を応用したもので、焦らず急かず習慣性を応用して力強
 い肉体を作ること。

・(2)(3)の条件を実行すれば、心と体が期せずして結合統一され
 て生命の内容力である「体力、胆力、判断力、断行力、精力、能力」
 の6つが増大してくる。
・6つの力は、生命を確保する大事な要素であり、健康も運命も極めて
 良好に向上する。なぜなら、6つの力は、人生及び生命に直接間接に
 影響するからだ。
・その結果、人生の三大不幸といわれる「病、煩悶、貧乏」から自然に
 縁が切れて、すこぶる幸福な人生が招来される。

(4)なぜ、心と体を結合統一すると「病、煩悶、貧乏」から自然に縁
  が切れてしまい、すこぶる幸福な人生が招来されるのか。
・それは、「神経系統」の生活機能が、完全になるからである。
・「神経系統」は、生命組織の運営中枢であり、生命はこれによって生
 かされている。 人間が活きていられるのは、神経系統のお陰である
・「神経系統」は、「心の態度」と密接な関係を持っている。しかも、
 「心の態度」は、単に神経系統に対してのみならず、全体生命の確保
 の上にも最大の要件である。
・「心の態度」とは、心が積極的か、心が消極的かということであり、
 心の態度を積極化することが具体化されないと、いくら良い方法を行
 っても、心身の統一は完全にはできないことになる。

(5)なぜ、心の積極的な態度を堅持しなければいけないか。 
・それは、神経系統の生活機能が、直接的に影響を受けて不完全になる
 からである。不完全になれば、心身の統一は、破壊されてしまう。
・心の態度を積極化するとは、どのようにするのか。
 それは、どんな場合にも、たとえ病があろうがなかろうが、運命が良
 かろうが悪かろうが、その心を決して弱々しくしないこと。
・もう少し具体的に言えば、みだりに怒らず、怖れず、悲しまず、悩ま
 ず、煩わせずというふうに、明るく生き生きとその心を堅持すること
・更に結論的に言えば、その心の尊さと、強さと、正しさと、清らかさ
 を失わないことである。

(6)問題は、心の統御法は、昔から現代に至るまで、曰く言い難くし
  て行い難いと考えられていることだ。
・宗教や哲学がこしらえられたのも、結局は、心の操縦難を感じたから
 にほかならないと推定される。
・昔の歌にも、「心こそ 心迷わす 心なれ 心に心 心許すな」とあ
 る。
・皮相的に考えると、確かに肉体は易しく統御できるが、心は難しいと
 考えられる。しかし、事実はそうではなく、肉体の方が厳しい制限が
 ある。
 反対に、心は、幽玄微妙なものだが、操縦方法さえわかれば器用に働
 くものだ。
・現代人は、心は絶対にどうすることも出来ないと考えてしまっている
 その根本的な原因は、世界の文化が物質方面にのみ進展して、精神文
 化が知らない間に置いてきぼりにされたところにある。
・その結果、現代人は、心は、どうしても思うように統御できないと考
 えるようになってしまった。軽率にも肉体方面のみを重大視して、心
 を粗略にするともなく粗略にして生きている。
・それだけに、心身統一法に一度関心を向けることが大事になってくる
(中村天風講演録より適宜抽出)


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