中村天風研究会

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<今月の言葉>(2024年3月)

 【野心・野望は生命力を損耗させる その1】
1.人間は、「大志・大望」を持つことが大切
・「大志・大望」に関する有名な言葉に、「Boys, be ambitious」が
 ある。これは、「少年よ大志を抱け」と訳されて日本では広く知られ
 ているが、英語の本来の意味から言うと、「引っ込み思案ではなく、
 野心的になりなさい」という意味も含まれているという。 
・つまり、「ambitious」には、両面の意味があって、良い意味では
 「大望、大志を持った」と訳し、悪い意味では「野心的な」と訳すと
 いうことである。更には、「ambitious」には、「Greed」(強欲、
 貪欲、拝金主義)という言葉に近い意味も含まれているという。
・天風哲学においても、人生を有意義に活きるためには、何をおいても
 自分の「理想」を階級の高い気高さで、常に心の中に抱かなければい
 けないと説いているが、その一方で、その「理想」は「野心的」であ
 ってはならないといっている。
・なぜなら、「野心的」であれば、成就しない場合が多く、往々にして
 心の統一を破るために結果を不良にするからである。「野心」とは、
 「分不相応の大きな望み」という意味である。
・また、天風哲学では、「アンビッション(Ambition)は価値がな
 い」とも説かれている。「Ambition」とは、「ambitious」の名詞形
 であり、仕事での成功や、権力や地位の獲得を求める「野心」や「野
 望」を指す。 この「野心、野望」は、打ち込めば打ち込むほど「苦
 しみ」を味わうことが多くなる。
・一方、「気高さ」とは、直訳すれば「気品がある、上品である」とい
 う意味だが、天風哲学では「世のため人のために尽くす」という意味
 が込められている。 この「気高い大望、大志」は、一生懸命になれ
 ばなるほど「楽しさ」が湧いて来て喜びと感謝で生きられる。
・すなわち、天風哲学では、「大望、大志」を抱けと説くが、それはあ
 くまでも「気高い」もの、つまり「利他の心」が根底になければなら
 ないということであり、一方の「野心」は、「自利の心」から出てく
 るものとして徹底して否定している。
2.なぜ、「野心・野望」は生命力を損耗させるのか
・これには、宇宙本体と人間の心との関係を考慮しなければいけない。
 すなわち、人間の生命は、宇宙本体と一体である。そして人間の心は
 その宇宙本体の力を、自己の生命の中へ思うがままに受け入れる働き
 を持っている。
・宇宙本体の力を自己の生命の中に充分に受け入れることができれば、
 病に罹って苦しむこともなく、不運に陥って嘆くこともなく幸福で生
 甲斐のある人生を生きることができるように人間はなっている。
・重要なことは、その宇宙本体の力を充分に受け入れることのできる心
 は、「積極的な心=気高い心=利他の心」であって、「消極的な心=
 分不相応な心=自利の心」ではないということである。 
・従って、「野心、野望」は、「消極的な心=分不相応な心=自利の
 心」から生じて来るものだから、宇宙本体の力を充分に受け入れるこ
 とができず、自己の生命力を充分に発揮できなくなる。
・その結果、病や不運にさいなまれながら生きることになり、打ち込め
 ば打ち込むほど「苦しみ」の多い人生となってしまう。
・こういう事由から、天風哲学では、「野心、野望」という心の働きに
 対しては、大いに注意を喚起している。
(天風哲学より適宜摘出)


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