【積極精神の確立には、感応性能の積極化が最も早道 その2】
・「感応性能」とは、本能心が司っている五官の感覚作用を一番最初に
大脳に取次ぐ性能のこと。生理学では「知覚作用」といい、心理学で
は「感応性能」という。
・「感応性能」の調子が狂うと、水道の蛇口に物が詰まったのと同様に
「意志力」が出なくなる。そうすると、考えてはいけないことを考え
たり、怒らなくてもいい時に怒ったりと、心が事柄に左右されて自分
で心を自由に出来なくなる。
・「感応性能」が消極的な人とは、気が弱い、神経過敏、愚痴っぽい、
怒りっぽい、引っ込み思案の人などをいう。
・「感応性能」が積極的な人とは、神経の線が太い、肚が出来ている、
気が大きい、いつも快活明朗な人などをいう。
・「感応性能」の積極化の狙いは、心鏡を払拭すること、つまり心の中
の「雑念妄念」を排除することにある。
・人間は、肉体の垢汚れを取ることよりは、心の垢汚れを取ることを一
番先に考えなければならない。「感応性能」の積極化には、次の3つ
の方策がある。
イ.潜在意識を浄化して積極化させること。
ロ.顕在意識を積極化させること。
ハ.瞬間瞬間に神経系統を安定化させること。
・また、「坐禅法」の実践も重要である。
・天風哲学では、具体的実践法として、観念要素の更改、積極精神の養
成、神経反射の調節の3つの方法がある。また、安定打坐法という坐
禅法もある。
・天風哲学の「積極な心」とは、尊く、強く、正しく、清くという4つ
を一まとめにした心をいうので、正しく理解することが大事である。
(天風哲学より適宜集録)