<中国人観光客が見た日本> (今月の言葉Aからの続き)
・だから、初めて日本に行った時に、最も意外に感じたのは観光地では
なく、あの絶妙な「心が緩む」感覚だった。電車の中は静かで、街中
でも大声で騒ぐ人はほとんどいない。列に並ぶ人たちは互いに押し合
うことはなく、コンビニの店員は礼儀正しく、必要以上に距離を詰め
てこない。
・みんなが当然のように、「他人の空間にむやみに踏み込まない」とい
う共通認識を持っているかのようだ。HSP気質の私には、その感覚が
とても強く伝わってきた。その時、初めて気付いた。「秩序」は効率
だけではなく、安心感ももたらすのだと。長い間緊張し続けてきた人
間の神経を、少しずつほどいてくれるものなのだと。
・なぜ何度も日本を訪れるのか。日本では、人間関係の雑音に振り回さ
れることがない。無理な付き合いをしなくてもいい。常に、相手の複
雑な感情を読み取ろうとしなくていい。静かに歩き、静かに食事をし
静かにこの世界を眺めることができる。HSP気質のISTJである私にと
って、その感覚は本当に貴重なものだ。
・「どうしていつも日本へ行くの?」とよく聞かれる。私は、ようやく
その答えが分かった気がする。私が好きなのは、日本そのものだけで
はなく、そこで少し肩の力を抜くことができる自分自身なのだ。
〔翻訳・編集/北田より転載〕