【来日外国人の「昔の日本」見聞記 その10】
〈メキシコ・天文学者・フランシスコ・コバルビアス。明治7年、金星
の太陽面経過観測の為来日〉
・日本の家屋は、紙と華奢な木で造られているのに、泥棒が少ない。
我々が住んでいた横浜の下野山は、人里離れた場所にあり、しかも住
んでいる者は、外国人だけであった。
・自分の国であれば、盗人が侵入しても仕方のない環境だったが、そう
いうことは一切なかった。いろいろな機械や衣類や書類にお金も置い
ていたが、何も取られたものはなかった。
・また、幾たびか、夜間、単身で武器も持たず、見ず知らずの人力車夫
に案内されて、どこかに祝祭があったので、その習慣を観察するため
に市内を駆け回った。
・しかし、暴力沙汰に遭遇したこともなければ、侮辱を受けたこともな
かった。何の被害も受けずに、このような振る舞いの出来る国など、
世界のどこにあろうか。
(村岡正明著「日本絶賛語録」より適宜引用)