NSJ住宅性能研究所

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許容応力度計算(木造住宅)シリーズ2

施行令46条2項ルート

■木造の構造ルートは、「①仕様規定でいける?」→「②無理なら構造計算」の順で決まる

●ステップ0:そもそも超小規模の例外か?

物置など、一定条件の小さな建物は、そもそも細かい構造検討が簡略化されることがあります。

ここを Yes で抜けるなら、その範囲の簡略ルールへ。


●ステップ1:木造の共通ルール

どのルートでも共通して守るのが、いわゆる「木造の基本ルール」です。

たとえば 材料の耐久性、防腐・防蟻、接合、部材の最低条件など。

耐久性など関連規定をまずは確認します。

ここがポイントで、構造計算ルートに行っても、木造の基本ルールが全部消えるわけではありません。

(例:継手・仕口、床組・小屋組、柱の条件…などは、計算以前に最低ラインとして残る発想)

●ステップ2:「壁量計算(仕様規定)で安全を示せる?」が第一関門

多くの木造住宅は、まず 仕様規定(壁量計算など)でいけるかを見ます(※木造の仕様規定(3章3節)の流れです)

ただし、大空間・ラーメン・壁が少ないプランなどは、壁量を満たせないことがあります。

●ステップ3:壁量が厳しいなら「施行令46条2項ルート」へ(壁量免除の代わりに構造計算)

壁量を満たせない建物(体育館、ホール、木質ラーメン等)は、壁量設計の代わりに、構造計算で安全を証明する道があります。

それが 施行令46条2項ルートです。

このルートは、壁の量で担保しない分、主要部材は性能がはっきりした材料(集成材や一定条件のJAS材など)を使うという思想が強いです。

実際、関連通知等では、集成材等や含水率条件つきJAS材が例示されています。

●ステップ4:構造計算の重さを選ぶ(ルート1→2→3)

「ルート1/2/3」は、ざっくり言うと 計算の深さ(チェック項目の多さ)です。

・ルート1:
 許容応力度計算(基本の計算)

・ルート2:
 ルート1に加えて、偏心や剛性など地震時のねじれ・変形の癖をより厳密に見る側

・ルート3:
 さらに大きい・重要度が高い建物で、保有水平耐力などまで踏み込む側(強い地震時の粘りも含めて確認)

ルート2/3の考え方(層間変形角、保有水平耐力など)は、施行令82条系の体系として整理されています。

■2025年4月改正で、フローを理解する上で増えた現実のポイント

ここが最新情報の部分です。

1) いわゆる「4号特例」が縮小
→ 小規模木造でも審査で構造資料が要る側が増えた

これまで2階建て木造住宅は、確認申請で構造審査がかなり省略される場面が多かったですが、制度の見直しで、確認・審査の扱いが変わる建物が増える方向です。

ざっくり言うと:
「仕様規定でやってます」でも、それを示す資料を提出・審査される場面が増えるイメージです。

2) 壁量や柱小径の基準の持ち方が変わる(屋根の軽重区分の廃止などが話題)

木造の壁量・柱の扱いは、改正で整理・見直しが入っています。

たとえば、「軽い屋根/重い屋根」区分を前提に壁量や柱小径を決める考え方の廃止が取り上げられています。

(※ここは実務上、どの告示・経過措置を適用するかで、当面の運用が絡むので、「基準体系が整理されつつある」と押さえるのが安全です)

3) 経過措置がある(しばらく旧基準でOKの範囲が用意されている)

国交省資料では、一定の小規模木造について、施行日後しばらくは 改正前の壁量基準等で扱える期間が示されています(経過措置)


<まとめ>

木造はまず 「壁量などの仕様規定でいけるか」を見る
⇒いけない(大空間・ラーメン等)なら 「46条2項ルート=構造計算で壁量を免除」へ
⇒構造計算にも深さがあって、規模や条件で ルート1→2→3に分かれる

2025年改正で、小規模木造でも審査で示す資料が増える方向、壁量基準も整理が進み、経過措置もあります。



次回は、許容応力度計算と倍率の関係について、お話します。

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