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被災建築物応急危険度判定士シリーズ2

被災建築物応急危険度判定士について

■これは何のためにやるの?

地震で被害を受けた建物について、次の3つを目的に、短時間で危険度を判断します。

・余震で倒れる危険があるか、外壁や部材が落ちてくる危険があるかを見極める
・その建物を使ってよいか(近づいてよいか)の情報を、住民や利用者に伝える
・その結果、二次災害(倒壊・落下物でのけが等)を防ぐ

また、これは市町村が地震直後の応急対応として行うことがある(所有者だけでは安全確認が難しいケースがある)という位置づけです。


■「応急」ってどういう意味?

この判定は「応急」= 緊急で暫定(仮)です。

・緊急性:
 地震の直後に、短時間で多くの建物を見なければならない
・暫定性:
 時間が限られているので、後で詳しく調べた結果、判定が変わることがあり得る

つまり「最終結論」ではなく、いま危険かどうかの一次スクリーニングです。



■「調査済」=「安全」ではない(ここ超重要)

判定結果には、「危険」・「要注意」・「調査済」が出てきます。
このうち「調査済」は安全の意味ではありません。

外観中心の限られた範囲で見た結果、危険・要注意に当たる要因が見つからなかったという意味です。


■どんな建物が対象?(適用範囲)

基本は、地震被害を受けた、一般的な構造の建物が対象です。

・対象:
 木造(W)・鉄骨(S)・RC・SRC(判定方法は構造ごと)
・対象外:
 危険物貯蔵庫
・原則:
 この基準は地震の余震で倒壊等する危険を見るものなので、強風など、地震以外が原因の判定には原則使わない

また、通常構法でない特殊建築(大スパン等)は対象外扱いになることがある、という注意もあります。


■誰が、どうやって調べるの?

・実施者:
 有資格者(判定士)(講習受講+都道府県登録の建築技術者)
・方法:
 主に外観目視。外観で被害が見えないときは内観も(許可・状況による)
・道具:
 コンベックス、下げ振り、クラックスケールなど簡単な器具


■判定の考え方(全体像)

危険度は大きく 2つを別々に見て、最後にまとめます。

・建物そのものが倒れる危険(構造躯体)
・落下・転倒(外壁・ガラス・設備など)で危険が起きるか


■結果は「ステッカー」で周知する

判定したら、所有者・利用者・第三者に危険が伝わるように、判定ステッカーで表示します。

危険内容や危険範囲、注意事項を分かりやすく書く、口頭で済む場合もある、という整理です。

貼る場所は、

・建物:
 出入口の目立つ場所
・落下物等:
 危険箇所付近の目立つ場所


■「危険な範囲」ってどこまで?

・建物が傾いている場合:
 傾いている側に、建物高さと同じ距離くらいまで危険範囲
・落下物:
 取り付け位置からの落下高さの1/2くらいまで


■判定はあとから変わることがある

応急判定は短時間なので、次のようなときは判定変更があり得ます。

・危険を防ぐ手段が講じられた
・詳細調査で結果が変わった(新しい危険が見つかった/実は危険が小さかった等)
・余震で被災状況が変わった



次回は、被災建築物応急危険度判定士が実際に行うこと(木造偏)について、お話します。

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