JavaScript を有効にしてご利用下さい.
■ひび割れの原因と予防 コンクリートのひび割れは、見た目だけの問題ではなく、水が入りやすくなって劣化が早まるなど、耐久性を大きく下げます。 ひび割れは大きく分けて次の2種類です。 1⃣設計の問題が原因のひび割れ 2⃣施工(打設や養生)の問題が原因のひび割れ どちらも、ちゃんと準備して、ポイントを押さえることで防げるものが多いです。 1⃣設計が原因になりやすいひび割れ 代表例は 不同沈下(地盤が不均一に沈むこと) によるひび割れです。 → そのため、建てる前に地盤調査をして、基礎の形や強さを慎重に決めることが重要です。 ほかにも、換気口などの開口部まわりで、補強筋(鉄筋)が足りないとひび割れやすくなります。 → 開口部まわりは、弱点になりやすいので、最初から補強を入れておきます。 2⃣施工が原因になりやすいひび割れ 施工が原因の場合は、だいたい次のどれかに問題があります。 ・材料 ・打ち込み(打設)のしかた ・養生(固まるまでの管理)のしかた ・材料の問題 これは、打設前に配合計画書(どんな材料をどれくらい混ぜるかの書類)を確認しておけば、防げることが多いです。 ●打ち込み方法の問題(よくある例) ・かぶり不足(鉄筋の上にあるべきコンクリートの厚みが足りない) ・ジャンカ(コンクリートがスカスカで密に詰まっていない状態) ・打継ぎ不良(コールドジョイント)(途中で時間が空き、前のコンクリートが固まり始めて一体化しにくい状態) ジャンカは、角や換気口の近くなど「コンクリートが回りにくい場所」で起きやすいです。 → そのため、角や換気口近くなどはしっかり突き固める(振動を与える)必要があります。 コールドジョイントは、ポンプ車の入れ替えなどで間が空きすぎると起きます。 → 防ぐには、連続して打てる段取り(時間配分・順番)を、打設前にしっかり決めておくことが重要です。 ●養生の問題(乾燥収縮) コンクリートは固まる過程で水分が抜け、どうしても縮もうとするため、乾燥収縮のひび割れは起きやすい性質があります。 → それでも、次の工夫でかなり減らせます。 ・水の量を必要以上に増やさない ・型枠を早く外しすぎない ・散水などで急激に乾かさない(乾燥をゆっくりにする) また、面積が広いほど収縮の影響が大きくなるので、基礎の立上りを約4m間隔で格子状に設けるなど、割れにくい形にするのも一つの手です。 ●もしひび割れが出てしまったら やむを得ずひび割れが出た場合は補修します。 補修が必要になるひび割れ幅の目安は 0.3mm以上 です。
■ひび割れ対策(見た目 → 原因 → 予防) ① 斜めに一本、方向がそろったひび割れ(沈下っぽい) 原因:地盤の不同沈下 予防: ・地盤調査をして、基礎計画を適切にする ・建物の重さのバランス(重心)にも配慮する 例:片側だけ重い形(セットバック等)にしない、擁壁の影響も考える ② だいたい等間隔の縦ひび割れ 原因:乾燥収縮 予防:水を増やしすぎず、密なコンクリートにする(良い配合と締固め) ③ 開口部の角から斜めに伸びるひび割れ 原因:乾燥収縮(角は割れが集中しやすい) 予防:開口部まわりに補強筋を入れる ④ 開口部の下で斜めに交差するひび割れ 原因:開口部の下の剛性(ねばり・強さ)が不足し、せん断に弱い 予防: ・地中梁のせい(梁の高さ)を確保する ・立上り筋(スターラップ等)を細かく入れる ⑤ 表面が沈んだようなクラック(沈みクラック) 原因:打設が十分でない/養生不足 予防: ・打設時にバイブレータや叩きで空気を抜く ・打設後にコテで押さえて表面を締める ⑥ 鉄筋に沿って出るひび割れ 原因:かぶり厚さ不足 予防: ・かぶり厚さを確実に確保する ・打設中に鉄筋が動かないよう結束する ⑦ 網目状・不規則なひび割れ 原因:材料や練り方、運搬時間、混和剤などの不具合 予防: ・良い材料・適切な配合計画にする ・練り混ぜ過ぎない/運搬時間を短くする(現場に着くまでの時間管理) ⑧ ジャンカ(スカスカで密実じゃない) 原因:打設不良(コンクリートが回らない・締まっていない) 予防: ・横流し(流して移動させる)をしない ・よく叩く・振動を与えて、隅々まで行き渡らせる
次回は、被災建築物応急危険度判定士という存在について、お話します。
▲このページのTOPへ