NSJ住宅性能研究所

MENU 検索

地盤・基礎シリーズ22

ひび割れ

■ひび割れの原因と予防

コンクリートのひび割れは、見た目だけの問題ではなく、水が入りやすくなって劣化が早まるなど、耐久性を大きく下げます。

ひび割れは大きく分けて次の2種類です。

1⃣設計の問題が原因のひび割れ
2⃣施工(打設や養生)の問題が原因のひび割れ

どちらも、ちゃんと準備して、ポイントを押さえることで防げるものが多いです。

1⃣設計が原因になりやすいひび割れ

代表例は 不同沈下(地盤が不均一に沈むこと) によるひび割れです。
→ そのため、建てる前に地盤調査をして、基礎の形や強さを慎重に決めることが重要です。

ほかにも、換気口などの開口部まわりで、補強筋(鉄筋)が足りないとひび割れやすくなります。
→ 開口部まわりは、弱点になりやすいので、最初から補強を入れておきます。

2⃣施工が原因になりやすいひび割れ

施工が原因の場合は、だいたい次のどれかに問題があります。

・材料
・打ち込み(打設)のしかた
・養生(固まるまでの管理)のしかた
・材料の問題

これは、打設前に配合計画書(どんな材料をどれくらい混ぜるかの書類)を確認しておけば、防げることが多いです。

●打ち込み方法の問題(よくある例)

・かぶり不足(鉄筋の上にあるべきコンクリートの厚みが足りない)
・ジャンカ(コンクリートがスカスカで密に詰まっていない状態)
・打継ぎ不良(コールドジョイント)(途中で時間が空き、前のコンクリートが固まり始めて一体化しにくい状態)

ジャンカは、角や換気口の近くなど「コンクリートが回りにくい場所」で起きやすいです。
→ そのため、角や換気口近くなどはしっかり突き固める(振動を与える)必要があります。

コールドジョイントは、ポンプ車の入れ替えなどで間が空きすぎると起きます。
→ 防ぐには、連続して打てる段取り(時間配分・順番)を、打設前にしっかり決めておくことが重要です。

●養生の問題(乾燥収縮)

コンクリートは固まる過程で水分が抜け、どうしても縮もうとするため、乾燥収縮のひび割れは起きやすい性質があります。

→ それでも、次の工夫でかなり減らせます。

・水の量を必要以上に増やさない
・型枠を早く外しすぎない
・散水などで急激に乾かさない(乾燥をゆっくりにする)

また、面積が広いほど収縮の影響が大きくなるので、基礎の立上りを約4m間隔で格子状に設けるなど、割れにくい形にするのも一つの手です。

●もしひび割れが出てしまったら

やむを得ずひび割れが出た場合は補修します。

補修が必要になるひび割れ幅の目安は 0.3mm以上 です。



■ひび割れ対策(見た目 → 原因 → 予防)

① 斜めに一本、方向がそろったひび割れ(沈下っぽい)

原因:地盤の不同沈下

予防:
・地盤調査をして、基礎計画を適切にする
・建物の重さのバランス(重心)にも配慮する

例:片側だけ重い形(セットバック等)にしない、擁壁の影響も考える

② だいたい等間隔の縦ひび割れ

原因:乾燥収縮

予防:水を増やしすぎず、密なコンクリートにする(良い配合と締固め)

③ 開口部の角から斜めに伸びるひび割れ

原因:乾燥収縮(角は割れが集中しやすい)

予防:開口部まわりに補強筋を入れる

④ 開口部の下で斜めに交差するひび割れ

原因:開口部の下の剛性(ねばり・強さ)が不足し、せん断に弱い

予防:
・地中梁のせい(梁の高さ)を確保する
・立上り筋(スターラップ等)を細かく入れる

⑤ 表面が沈んだようなクラック(沈みクラック)

原因:打設が十分でない/養生不足

予防:
・打設時にバイブレータや叩きで空気を抜く
・打設後にコテで押さえて表面を締める

⑥ 鉄筋に沿って出るひび割れ

原因:かぶり厚さ不足

予防:
・かぶり厚さを確実に確保する
・打設中に鉄筋が動かないよう結束する

⑦ 網目状・不規則なひび割れ

原因:材料や練り方、運搬時間、混和剤などの不具合

予防:
・良い材料・適切な配合計画にする
・練り混ぜ過ぎない/運搬時間を短くする(現場に着くまでの時間管理)

⑧ ジャンカ(スカスカで密実じゃない)

原因:打設不良(コンクリートが回らない・締まっていない)

予防:
・横流し(流して移動させる)をしない
・よく叩く・振動を与えて、隅々まで行き渡らせる



次回は、被災建築物応急危険度判定士という存在について、お話します。

▲このページのTOPへ