NSJ住宅性能研究所

MENU 検索

地盤・基礎シリーズ21

コンクリートの打設と養生

■そもそも「打設」って何?

液状のコンクリートを型枠の中に入れる作業を「打設(だせつ)」といいます。

鉄筋コンクリートは、鉄筋とコンクリートが密着して初めて強く働くので、ただ流すのではなく、所定の位置に打ち込んで、すき間なく詰めることが大切です。


■コンクリート打設の要点(超重要ポイント)

●「横流し」はしない

コンクリートを遠くまで横に流すと、材料が分離しやすく、品質が落ちます。

特に壁などは柱をまたいで横流ししないようにします。

●打設に使える、時間がある

練り混ぜ開始から打込み完了までの目安は次のとおりです。

・外気温25℃以下:120分以内
・外気温25℃超:90分以内
(温度を下げる・凝結を遅らせる等の対策をするなら、承諾のうえで変更可)

●雨・雪・低温のときは、養生できないなら打たない

品質に悪影響が出そうな降雨・降雪が予想される場合や、打込み中にコンクリート温度が2℃を下回るおそれがある場合は、適切な養生を行う。

それができないなら、打設しない。

●きちんと締め固める(ジャンカ・空隙をなくす)

バイブレータ等で、隅々までコンクリートを充填して密実にします。

バイブレータは垂直に挿入し、挿入間隔は60cm以下など、基本を守ります。

●天端(表面)はタンピング等で、沈みクラックを防ぐ

打設後、荒均し→凝結前にタンパー等で叩き締めて平らにし、ひび割れを抑えます。



■かぶり厚さが大事な理由(3つ)

かぶり厚さ(鉄筋を覆うコンクリートの厚み)は、次のために必要です。

・付着割裂の防止(構造耐力の確保)
・火災時の温度上昇を抑える(耐火性能)
・中性化などによる腐食を防ぐ(耐久性)

●最小かぶり厚さの目安(標準仕様書)

公共建築工事標準仕様書では、最小かぶり厚さの標準値が表で示されています。

特に基礎まわりの要点だけ抜粋すると、

・土に接する部分(基礎・擁壁・耐圧スラブ):60mm
・土に接する部分(柱・梁・スラブ・壁):40mm
・屋外で仕上げなし(柱・梁・耐力壁):40mm

※土に接するスラブ・梁・基礎・擁壁のかぶりには、捨てコンクリート厚は含めない点も明記されています。


■打設前の注意点(段取りで勝負が決まる)

・型枠が動かないように堅固に固定する(打設時の衝撃・振動でズレると致命的)
・スペーサー等でかぶり厚を確保し、打設中に鉄筋が動かないようにする
・結束線が外側にはみ出さないように押さえる(かぶり不足や錆の原因)
・打込み前に、打込み場所を清掃し、せき板(型枠)と打継ぎ面を散水して湿潤にする
・剥離剤を使う場合、鉄筋に付着しないよう注意(付着すると不具合につながる)


■打設中の注意点(品質を落とさない動き方)

・計画した区画内では連続して打ち込み、一体化させる
・横流ししない/自由落下高さ・水平流動距離は分離しない範囲で
・締固め(バイブレータ等)で空隙・ジャンカを防止
・天端はタンピング等で沈みクラック対策
・打継ぎ面はレイタンス等を除去し、健全なコンクリートを露出させる


■打設後の注意点(乾燥と凍結から守る)

●湿潤養生(乾燥させない)

打込み後は、せき板で覆う/養生マット・水密シート/散水・噴霧/膜養生剤などで湿潤養生を行います。

標準仕様書の、湿潤養生の期間は次のとおりです。

・普通ポルトランド等:5日以上
・早強ポルトランド:3日以上
・中庸熱・低熱・高炉B種等:7日以上

●初期凍害の防止

打込み後に初期凍害のおそれがある場合は、初期養生を行う(=凍らせない管理)


■型枠の存置期間(脱型の目安)

いつ型枠を外していいかは、温度やセメント種類で変わります。

標準仕様書では、材齢(日数)で管理する方法と、圧縮強度で管理する方法が示されています。

●せき板(側面の型枠)の考え方(基礎でよく使う)

・圧縮強度が5N/mm²以上になるまで外さない(強度確認で管理する方法)
・日数管理の場合、普通ポルトランドを含む一般的な区分では、平均気温により15℃以上=3日、5℃以上=5日、0℃以上=8日が目安

※スラブ下・梁下の支柱は、せき板よりかなり長く、別表で管理(例:15℃以上で8日/17日など)されます。


■基礎ができるまでの流れ

手順|ここをチェック(重要ポイント)
① 根切り|支持層の確認、掘りすぎ・緩みの有無
② 地業・捨てコン|十分な転圧、厚み・不陸
③ 墨出し|寸法・開口位置、スペーサー準備
④ 配筋|径・本数・間隔、フック/定着、結束線のはね出し防止、かぶり確保
⑤ 型枠|動かない固定、かぶり確保(側面スペーサー等)、清掃
⑥ ベース打設|練混ぜ〜打込み完了の時間(120/90分)・横流し禁止・締固め・天端タンピング・雨雪/低温時の対応
⑦ 養生|湿潤養生(普通で5日以上など)・乾燥/凍結防止
⑧ アンカーボルト|定着長さ確保、治具で固定、位置精度
⑨ 立上り打設|打継ぎ面清掃・目荒らし、以降は⑥と同様の品質管理
⑩ 養生・脱型|湿潤養生+脱型は温度/強度で判断(強度5N/mm²など)



次回は、ひび割れについて、お話します。

▲このページのTOPへ