NSJ住宅性能研究所

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地盤・基礎シリーズ20

中性化・かぶり厚さ

■かぶり厚さとは?

かぶり厚さとは、鉄筋コンクリートの中で、

鉄筋の表面から、コンクリートの外側(表面)までの距離

のことです。

この厚みには、法律(建築基準法施行令)で最低値が決められていて、さらに建築学会の仕様書(JASS5)では、施工誤差も考えた推奨値も示されています。


■かぶり厚さが必要な理由(役割)

かぶり厚さには主に次の3つの役割があります。

・鉄筋とコンクリートをしっかり一体化させる(付着を確保)
・中性化が鉄筋に到達しないようにして、鉄筋のサビを防ぐ(耐久性)
・火災時に鉄筋の温度上昇を抑えて、耐火性能を確保する

木造住宅の基礎では、特に 「 一体性 」 と 「 サビ防止 」が重要です。


■中性化とは?

コンクリートは本来、鉄筋がサビにくいアルカリ性の材料です。

しかし空気中の二酸化炭素(CO₂)などの影響で、表面から少しずつ性質が変わり、中性に近づいていきます。

これを中性化と呼びます。


■中性化が進むとどうなる?

中性化が進むと、次の流れで劣化が起きます。

表面から中性化が進む
→中性化が鉄筋まで届く
→鉄筋がサビ始める
→サビは体積が増えるので、周りのコンクリートを押す
→コンクリートにひび割れが入る
→ひび割れが広がると、コンクリートが剥がれ落ちる(剥落)

ポイントは、中性化そのものがコンクリート強度を下げるわけではないことです。

ただし、鉄筋がサビると一気にトラブルが起きます。


■中性化を早める原因の1つ「水セメント比」

中性化を進める要因の1つに、水セメント比(W/C)があります。

水が多い(W/Cが大きい)
→ 乾燥収縮が大きくなりやすい
→ ひび割れが入りやすい
→ CO₂が入り込みやすくなる
→ 中性化が進みやすい

つまり、水を入れすぎると施工は楽でも、耐久性は落ちやすいということです。


■具体例:50年使う基礎を想定すると…

図の例では、耐用年数を50年としたとき、JASS5が許容する進行度として、

・W/C = 65% → 中性化が 3.4cm 進む
・W/C = 50% → 中性化が 2.4cm で済む

土に接しない部位の最低かぶり厚さは 3cmなので、W/Cが65%だと 中性化が鉄筋に届いてサビる危険が高くなる、という説明になります。


<まとめ>

コンクリートの耐久性(=長持ち)を確保するには、

・かぶり厚さをしっかり取る
・水セメント比を小さくして、ひび割れにくい密実なコンクリートにする

この2つが非常に重要です。

参考:かぶり厚さの目安(JASS5の規定)

(仕上げがない場合の目安)

・土に接しない部位(屋内):設計40mm以上/最小30mm以上
・土に接しない部位(屋外):設計50mm以上/最小40mm以上
・土に接する部位(布基礎立上り等):設計50mm以上/最小40mm以上
・土に接する部位(基礎・擁壁):設計70mm以上/最小60mm以上


(※最新情報を踏まえた表現)
参考:かぶり厚さの目安(一般劣化環境・耐久性上有効な仕上げなしの一例)
※JASS 5(2022)では「屋内/屋外」よりも、非腐食環境/腐食環境の考え方で整理する
※「設計かぶり厚さ」は、施工誤差を見込んで最小かぶり厚さ+10mm程度を標準とする扱いが一般的

・非腐食環境(常時乾燥の屋内など):設計 40mm以上/最小 30mm以上
・腐食環境(屋外、外皮に接する室内側、水回り等):設計 50mm以上/最小 40mm以上
・土に接する部位(布基礎立上り等を含む):設計 50mm以上/最小 40mm以上
・土に接する部位(基礎・擁壁など):設計 70mm以上/最小 60mm以上(※捨てコンは含めない)


次回は、コンクリートの打設と養生について、お話します。


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