NSJ住宅性能研究所

MENU 検索

地盤・基礎シリーズ19

水セメント比・スランプ

■コンクリートは何でできている?

コンクリートは主に セメント・骨材(砂や砂利)・水 からできています。

このうち、品質に大きく影響するのが 「水」と「空気」 です。

・水や空気が少ない
→ 中身がギュッと詰まって 強度・耐久性が高い
・水が多い
→ 施工はラクになるが、固まるときに 乾燥収縮が増え、ひび割れが起きやすく なって 耐久性が下がる

つまり、扱いやすさのために水を増やしすぎると、長持ちしにくいコンクリートになります。


■よいコンクリートは全部がつながっている

よいコンクリートは、次の要素が連動して決まります。

( ⇄ 材料)強度 ⇄ 調合(配合) ⇄ 施工性 ⇄ 取扱い・打込み・養生 ⇄ 耐久性 ⇄ 材料( ⇄ 強度)

(※どれか1つが悪いと、全体の性能が落ちやすい)



■コンクリートの構成をかみ砕くとこうなる

材料の組み合わせは、段階的に理解すると分かりやすいです。

・セメントペースト:混和剤(材)+空気+水+セメント
・骨材:細骨材(砂)+粗骨材(砂利)
・モルタル:セメントペースト+細骨材(砂)
・コンクリート:モルタル+粗骨材(砂利)

●骨材のサイズのイメージ

・細骨材(砂):重量の90%以上が 5mmふるい を通る
・粗骨材(砂利):重量の90%以上が 25mmふるい を通る


■コンクリートの品質を示す、3つの指標

コンクリートの品質は、特に次の3つで評価されます。

① 基準強度(Fc)

基準強度とは、28日(4週間)養生した圧縮強度 のことです。

例:Fc21 とは、圧縮強度が 21 N/mm² であることを意味します。

② スランプ

スランプは、固まる前のコンクリートのやわらかさ(流れやすさ) を表す指標です。

スランプコーンに詰めて引き抜いたときに、どれだけ沈んだか(下がったか)を測ります。

・値が小さい=硬め(流れにくい)
・値が大きい=やわらかい(流れやすい)

さらに、崩れ方を見ることで 材料が分離していないか もチェックできます。

③ 水セメント比(W/C)

水セメント比は、水とセメントの、重量の比率 です。

水が多いほど W/C は大きくなり、一般に耐久性が下がりやすくなります。

例:

・水:175 kg/m³
・セメント:300 kg/m³
→ W/C = 175 ÷ 300 = 0.583… = 58.3%


■標準配合と理想(推奨)の考え方

JISの標準的な考え方として、例えば Fc21 の場合、目安は次のようになります。

・スランプ:18cm
・単位水量:185 kg/m³ 前後
・水セメント比:60% 前後

ただし、耐久性を高めたい なら、水を減らす方向が有利なので、次を目標にしたいです。

●耐久性を高めるための推奨目安

・スランプは 15cmを標準
・単位水量は 175 kg/m³ 以下
・水セメント比は 50% 以下

木造住宅の基礎は、形が比較的シンプルで鉄筋量も多くない傾向が強いため、スランプを低め(硬め)にしても施工できるケースが多いです。

その結果、水量や水セメント比も下げやすく、コンクリートの耐久性アップにつながります。


■スランプ試験の流れ(ざっくり理解)

手順1:詰める(3層に分ける)

コーン内面を湿らせる
→コーンが浮かないように固定
→試料を 3層(A(下)→B(中)→C(上)) に分けて入れる
→各層を 突き棒で25回ずつ 均等に突く
→上面をならす
(層の目安:A 7cm / B 10cm / C 13cm)

手順2:引き上げる

片寄らないように 静かに垂直に 引き上げる(2〜3秒)
→中央部の下がりを 0.5cm刻み で測る(これがスランプ値)

手順3:崩れ方を見る

突き棒で板を軽く叩き、崩れ方を観察
→分離している(砂利だけ落ちる等)なら 悪いコンクリートの可能性


■配合の比較(Fc21、水分量だけに注目)

・JIS目安:スランプ18cm/単位水量185kg/m³/W/C 60%
・推奨目安:スランプ15cm/単位水量175kg/m³/W/C 50%


■水分量の考え方(なぜスランプ15cmが良い?)

・JISのスランプ許容差は ±2.5cm
・18cm指定だと、上ブレで 20cm超 になりやすい
・そのため最初から 15cm標準 の方が安全側になりやすい
・単位水量は 175kg/m³以下 が望ましい
・水セメント比は 50%以下 が望ましい



次回は、中性化・かぶり厚さについて、お話します。

▲このページのTOPへ