NSJ住宅性能研究所

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地盤・基礎シリーズ18

鉄筋

■鉄筋コンクリート(RC)とは何か

コンクリートは、押される力(圧縮)には強いのですが、引っ張られる力(引張)には弱いという特徴があります。

そのため、鉄筋が入っていないコンクリート(無筋コンクリート)は、力を受けたときに引張側にひびが入りやすく、一気に壊れる危険があります。

そこで、引張に強い鉄筋を中に入れて、コンクリートの弱点を補ったものが 鉄筋コンクリートです。


■RCが耐える仕組み(イメージ)

梁(はり)に荷重がかかると、断面の中で次のような状態になります。

・上側:圧縮(押される)
→ コンクリートが得意なのでコンクリートで耐える
・下側:引張(引っ張られる)
→ コンクリートが苦手なので鉄筋が担当する
・曲げが大きいと 曲げひび割れ が入る
・別の壊れ方として せん断ひび割れ も起きる(斜め方向のひび割れ)

そのため鉄筋は、力が必要な場所(特に引張が出る場所)に合理的に配置する必要があります。



■鉄筋の名前と役割(部位によって変わる)

鉄筋は、入る場所によって役割と呼び方が変わります。

・主筋(上筋・下筋):
 曲げに対して引張力を負担する(=曲げ補強筋)
・あばら筋(スターラップ):
 せん断ひび割れを抑える(=せん断補強筋)
 ※ただし、フック(折り曲げ)がある場合に効果を発揮しやすい
・腹筋:
 ひび割れを細かく分散させる目的(ひび割れ防止筋)
・ベース筋:
 基礎の曲げに抵抗する(曲げ補強筋)
・配力筋:
 ひび割れを抑えたり、力を分散させる(ひび割れ防止筋)

※ここで出てくる d は「鉄筋の呼び径(太さ)」のことです。

フックの長さは目安として 4d以上(鉄筋径の4倍以上)とされます。


■基礎梁で特に重要な鉄筋はどれ?

基礎梁の上下に水平に入る鉄筋(主筋)は、地面からの反力によって基礎梁に生じる曲げに抵抗するための鉄筋です。

これは構造上とても重要で、基礎梁の主役と言えます。

一方、立上り部分などに入る鉄筋には、せん断破壊を防ぐ役割があります。

ここで大事なのは、せん断破壊は曲げ破壊よりも突然で危険(脆い壊れ方)になりやすいことです。

そのため、せん断を抑える鉄筋(あばら筋など)は重要です。

ただし、せん断補強筋がしっかり働くには、

鉄筋がコンクリートに「引っ掛かって抜けない」状態=定着

が必要で、そのために鉄筋径の4倍程度のフックを付けることが求められます。

もしフックが無いと、せん断に対してコンクリートだけで頑張ることになり、ひび割れや破壊のリスクが上がります。


■配筋の重要ポイント(特に大事な3つ)

鉄筋がちゃんと働くために、特に重要なのは次の3つです。

① 定着長さ・継手長さ

隅角部(角)や交差部はひび割れが入りやすいので、鉄筋を L字に曲げる、または L形の補強筋を追加するなどして、必要な定着長さを確保します。

これが不足すると、角にひび割れが入りやすくなり、基礎の一体性が弱くなる恐れがあります。

② 鉄筋どうしの「あき(間隔)」

鉄筋同士が近すぎると、コンクリートが回り込まず、付着が弱くなるため注意が必要です。

③ かぶり厚さ

鉄筋がコンクリート表面に近すぎると、錆びやすくなったり、耐久性が落ちます。

適切なかぶり厚さを確保することが基本です。

■交差部の補強

交差部では、単配筋・複配筋で必要な考え方が変わります。

代表的には、アンカー(定着)やL形補強筋を使って、35dや40d程度の定着長さを確保するルールが示されています。

・単配筋:
 両方アンカー/片側アンカー/L型補強筋などで 35d〜40d を確保

・複配筋:
 組み合わせにより 35d程度 を確保する考え方が示される



次回は、水セメント比・スランプについて、お話します。

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