JavaScript を有効にしてご利用下さい.
■ベタ基礎とは? ベタ基礎は、1階床下の全面にコンクリートの底版(スラブ)を敷き、さらに 建物の外周や主要な通りの下に地中梁を連続して入れる基礎形式です。 地耐力が20kN/㎡程度の軟弱地盤でも採用しやすいのが特徴です。 ■不同沈下が心配なときの考え方 地盤が場所によって弱かったり、沈下の不安がある場合は、基礎全体を硬くして変形を抑える必要があります。 そこで、地中梁で区切られた面積(スラブの1区画)を、目安として 20㎡以下になるように地中梁を配置し、基礎の剛性を高めます。
■耐圧版(基礎スラブ)にかかる力 ベタ基礎の底版は、 ・基礎スラブ ・耐圧版 などと呼ばれます。 設計では、建物の重さ(基礎自重を含む)からスラブ自重などを差し引いた結果として、地盤から上向きの反力(地反力)がかかるものとして考えます。 要するに、建物は下に押す/地盤は上に押し返す、という関係です。 ■スラブに生じる曲げ(どこが一番キツい?) 地中梁で囲まれたスラブには曲げが生じます。 曲げのイメージとしては、 ・端部では、下側が引っ張られる(下端が危ない) ・中央部では、上側が引っ張られる(上端が危ない) という分布になりやすいです。 特に重要なのは、短辺方向の端部下側が最も応力が大きくなりやすいという点です。 そのため一般的な考え方として、 ・短辺方向の鉄筋:下側(下筋) ・長辺方向の鉄筋:上側(上筋) にすると合理的です(シングル配筋の場合) ■スラブ厚さ・配筋をどう決めるか 耐圧版(スラブ)の厚さや鉄筋量は、地中梁で囲まれた区画ごとに検討します。 設計に効く主な要素は次のとおりです。 ・荷重(建物の重さなど) ・スラブ厚さ ・区画の短辺長さ・長辺長さ(特に短辺の影響が大きい) 一般的な木造住宅では、 ・スラブ厚 15cm ・シングル配筋(鉄筋が1段) が多いですが、この条件だと、区画の短辺長さは4m以内が目安になります。 短辺が 4mを超える場合は、たとえば、 ・スラブ厚を 18cmに増やす ・ダブル配筋(鉄筋2段)にする などの対策が必要になります。 ■地盤が強いなら話が変わる 地耐力が 50kN/㎡以上で均質な地盤の場合、区画が多少大きくても、通常と同じスラブ厚・配筋で問題になりにくいです。 理由はシンプルで、そもそもよい地盤なら 独立基礎や布基礎でも成立するほど支持力が高いからです。 この場合、必要幅を超えた部分のスラブは、実質的に、基礎というより 1階床を受ける土間コンクリートに近い役割になります。 ■地中梁の設計 ベタ基礎の地中梁は、基本的に 布基礎と同様の考え方で設計します。 つまり、柱から伝わる力と地盤反力を受けて、梁として曲げ・せん断に耐えられるように鉄筋を決めます。 ■イメージの整理 ●ベタ基礎の全体 ・地中梁(立上り)でスラブを区画し、目安として 1区画20㎡以下(不同沈下対策) ・地耐力は 20kN/㎡以上が目安 ・スラブを全面に敷く(耐圧版) ベタ基礎は布基礎より接地面積が大きい → 接地圧(建物重量 ÷ 基礎面積)が小さくなる → 地耐力が小さめでも対応しやすい ただし、基礎としての硬さ(剛性)は地中梁で確保する ●耐圧版の設計 ・建物重量を基礎面積で割った平均値 W = 建物重量 / 基礎面積 ・これが 地耐力以下になることが必要 ・地盤からの反力(地反力)を上向き荷重として考える ●地中梁の設計 ・柱荷重と地反力を受ける梁として曲げモーメント(M)が発生 ・そのMに抵抗するように鉄筋を入れる ・梁は、柱を支点にして下から押し上げられるような状態も想定して設計する ●スラブの応力(大小関係) 曲げ応力の大きさは、 短辺端部(Mx1) > 短辺中央(Mx2) > 長辺端部(My1) > 長辺中央(My2) → 最大は 短辺方向の端部下側 → シングル配筋なら 短辺方向を下筋にするのが合理的 ●配筋の基本 ・上筋/下筋 ・せん断補強筋(フック付き) ・短辺方向を下筋にする ・人通口(点検口など)を設ける場合は、梁せいが小さくなるので、その最小梁せいで成立するように設計する
次回は、点検口・換気口について、お話します。
▲このページのTOPへ