NSJ住宅性能研究所

MENU 検索

地盤・基礎シリーズ13

地業

■地業とは何か

地業とは、建物を建てる前に、地盤を締め固めてすぐ沈む(即時沈下)のを防ぐための作業です。

特に、次のような地盤では重要になります。

・ゆるい砂地盤
・水分が多い粘性土(粘土質の地盤)


■かつての方法:割栗地業(わりぐりじぎょう)

以前は「割栗石(わりぐりいし)」という、岩を砕いた大きめの石を使って地面を締め固めていました。

やり方はざっくり言うと、

・割栗石を地面に並べる(石を立てるように入れることもある)
・その上に「目つぶし(小さい砂利)」を入れる
・上から突き固めて、隙間を減らす

という流れです。手作業が多く、手間のかかる工法でした。



■現在の主流:砕石地業(さいせきじぎょう)

今の現場で一般的なのは、砕石(さいせき)を敷いて締め固める砕石地業です。

・砕石=岩や玉石を砕いて作った砂利
・最近は、解体したコンクリートを砕いて不純物を除いた再生砕石を使うこともある

なお、自然砕石でも再生砕石でも、構造的には問題ないとされています。

ただし、砕石は敷き方によって空隙(すきま)ができやすいので、十分に転圧(締め固め)することが重要です。


■地業の後にやること:捨てコンクリート

地業が終わると、通常は「捨てコンクリート(捨てコン)」を打ちます。

捨てコンは鉄筋の入っていないコンクリートで、目的は次のようなものです。

・基礎の位置を正確に出すための墨出しの土台
・型枠や鉄筋の受け台としての役割
・作業しやすい平らな面をつくる

ただし、表層改良をしている場合は、改良の工程で地面が整えられるため、地業を省略して、直接捨てコンを打つことも多いです。


■根切りをしたときの雨水対策:釜場(かまば)

根切り(掘削)をすると、雨水がたまって床付け面が荒れることがあります。

それを防ぐために、あらかじめ外周に溝を掘り、釜場(水を集めるくぼみ)を作って排水します。

・溝:幅およそ 200〜300mm程度
・釜場:だいたい 500mm角程度
・たまった水は排水ポンプで外へ出す

目的はシンプルで、床付け面を雨でぐちゃぐちゃにしないためです。


■止水(しすい)が必要になるケース

基礎の立上り部分は、一般的にコンクリートを2回に分けて打設します。

その境目が「打継ぎ面」です。

・打継ぎ面がGL(地表面)より高い
  → 水が入りにくいので、特別な止水は基本不要

・打継ぎ面がGLより低い
  → 雨水や地下水が入りやすいので、止水処理が必要


■主な止水工法(代表例)

打継ぎ面が低い場合の対策として、主に次の方法があります。

① 外防水工法

立上りのコンクリートを打った後、外側から打継ぎ部に防水シートを貼る(または塗る)方法。

貼り付けにはセメントペーストなどを使います。

② 内防水工法

打継ぎ部に目地(すき間)を設け、そこに水で膨らむゴム系シーリング材を入れて止水する方法。

③ 止水板防水工法

打継ぎ面の中央にゴム製の止水板を入れて、水の侵入を防ぐ方法。

ただし、施工が雑だと逆に水が回り込み、鉄筋の腐食につながる可能性があるため注意が必要です。

④ コンクリート一体打ち工法(打継ぎ面を作らない)

そもそも打継ぎ面を作らず、一体で打つ方法です。

ただし、立上り内側の型枠固定が難しく、施工精度・管理が難しい点がデメリットです。

⑤ 建物外周に砂利を回す方法

地表面から打継ぎ面の下まで砂利を敷き、水が流れやすい道を外側に作る方法です。

②〜④などと組み合わせると、より効果が高まります。


■追加の注意:湿気と換気

地盤面より下は湿気がこもりやすいので、止水だけでなく、床下換気などの湿気対策にも注意が必要です。



次回は、独立基礎について、お話します。

▲このページのTOPへ