NSJ住宅性能研究所

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地盤・基礎シリーズ12

鋼管杭・摩擦杭

■木造住宅で使われる代表的な杭基礎

木造住宅で採用される杭基礎(杭で建物を支える方法)には、主に次の2つがあります。

・鋼管杭(こうかんぐい):
 細い鉄のパイプの杭
・摩擦杭(まさつぐい):
 表面がデコボコした杭で、地盤とのこすれ(摩擦)で支える杭

これらは、杭の形・施工方法によって、支持力(支える力)の計算方法が決められています。



■鋼管杭(鉄のパイプ杭)

●どんな杭?

住宅用では、直径がだいたい 100〜150mmくらいの細い鋼管(鉄パイプ)がよく使われます。

長さは 約7m程度が一般的です。

木造住宅は建物が軽いので、杭基礎とはいっても、実際には地盤改良に近い扱いになることもあります。

そのため、鋼管の厚み(肉厚)は 約4.5mm程度の薄いものが中心です。

●注意すべき地盤

・有機質土(腐った土が多い地盤)や酸性土
→ 鋼管が傷みやすいので、肉厚を厚くするなどの対策が必要です。

・液状化の可能性がある軟弱地盤
→ 地震時に杭が座屈(ぐにゃっと曲がる)したり、横からの力で折れるリスクが上がります。
→ その場合は、別工法に変える、または杭径を太くするなどの配慮が必要です。

●鋼管杭の主な形(住宅用)

・ストレート型:
 まっすぐな杭
・拡底型:
 先端に翼などがあり、先端の支持力を上げる
・多翼型:
 先端だけでなく中間にも翼があり、摩擦力も増やして支持力を確保する

●施工方法(どうやって入れる?)

代表的には3種類あります。

・打撃工法:叩いて打ち込む

支持力は高くなりやすい

ただし騒音が大きいので、最近は住宅ではあまり使われません。

・プレボーリング工法:先に穴を掘ってから杭を入れる

・回転圧入工法:回転させながら押し込んで入れる

排出土(掘った土)が少ない

騒音が小さい

狭い敷地でも対応しやすい
→ 現在、住宅ではこの方法が主流です。

●回転圧入工法の流れ

杭を吊って、位置を合わせてセット
→垂直を確認しながら、回転させて埋め込む
→施工データを確認して、支持層に届いたこと・根入れ(食い込み)が取れたことを確認して完了


■摩擦杭(表面がデコボコの杭)

●どんなときに使う?

軟弱な地層が20m以上も続くような敷地などで採用されやすい工法です。

固い支持層が深すぎて届きにくい場合に、杭の周りの地盤との摩擦力(こすれ)を大きくして支えます。

●杭の特徴(形・材料)

・杭の表面に突起(節)がついた凹凸形状
・材料はRC(鉄筋コンクリート)製が多い
・直径:細い部分で 300〜500mm
・節の間隔:約1m
・長さ:4〜8m程度

●施工方法(プレボーリングが基本)

穴を掘って杭を入れる、プレボーリング工法で施工します。

このとき、周面摩擦力を高めることと、掘った穴の壁が崩れないようにする目的で、セメントミルクなどの固定液を一緒に使います。

●節杭の施工手順

・杭を入れる位置に機械を立て、鉛直(まっすぐ)を確認
・所定の深さまで掘り、機械を上下させながら穴を整える
・固定液を注入して穴の壁が崩れないようにする
・杭を自重で沈める、または回転力などを与えて所定位置に定着させる



次回は、地業について、お話します。

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