NSJ住宅性能研究所

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地盤・基礎シリーズ11

表層改良・柱状改良

■地盤改良とは

地盤改良とは、敷地の土に固化材(多くはセメント系)を混ぜて、地耐力を上げる工法のことです。

木造住宅でよく使われるのは、次の2種類です。

・表層改良:地表からおよそ 2mくらいまでの浅い範囲を改良する
・柱状改良:地面の中に杭(柱)のような改良体をつくる


■固化材は「土に合うもの」を選ぶ必要がある

固化材はセメント系が一般的ですが、敷地が有機質土(泥炭など)や腐植土だと、うまく固まらない場合があります。

そのため、特殊な土にも対応できる固化材が用意されていることがあり、できれば事前に土を採取して、室内試験で、

・固化材の種類
・混ぜる量(添加量)

を決めるのが望ましいです。



■強度確認と養生期間(固まる時間)

改良後の強度は、本来はコア(円柱状の試料)を採取して圧縮試験をするのが最も確実です。

ただし、試験には費用と時間がかかるため、小規模な住宅では、

・メーカーの実績
・安全率を見込んだ添加量の増加(多めに入れる)

といった対応が現実的に行われることが多いです。

また、固まるまでの養生期間は最低3日以上が目安です。


A. 表層改良(浅層改良)

■表層改良とは

表層改良は、敷地表面付近にセメント系固化材を散布し、バックホウで土と混ぜ合わせて固める工法です。

一般的には、敷地を、固化材1袋を使う範囲ごとにブロック分けし、ムラなく攪拌(かくはん=混ぜる)します。

よく混ざったら、重機が通るなどして締め固め(転圧)を行います。


■改良できる深さ・範囲・強度の目安

・改良できる深さ:
 バックホウが届く範囲で、だいたい 地表から2m程度
・平面的な範囲:
 建物外周よりも、改良深さ分くらい外側に余裕をみるのが望ましい
・改良後の地耐力:
 50kN/㎡以上が目安


■表層改良の施工手順(例)

1⃣ 土のすき取り
基礎底版の深さまで土を掘り取り、土は仮置きする

2⃣ 固化材の散布
改良する地盤に、決められた量の固化材を加える

3⃣ 混合攪拌
原地盤の土と固化材が、よく混ざるように混ぜる

4⃣ 締固め・転圧
混ぜ終わった改良土を締め固める(転圧する)


B. 柱状改良(深層改良)

■柱状改良とは

柱状改良は、地面を筒状に掘りながら、液状の固化材(スラリー)を入れて土と混ぜ、柱(杭)のような改良体をつくる工法です。

改良体の直径は 600mm程度がよく使われます。


■改良体の配置方法(2パターン)

柱状改良の配置には主に次の2つがあります。

・杭状配置:地中梁の下など、必要な場所に柱を設ける(一般的)
・均等配置:約2m間隔で全体的に配置し、地盤全体の密度を上げる

均等配置は本数が増えやすく、コストが高くなりがちなので、一般には杭状配置がよく採用されます。


■支持力と固化材添加量の考え方

改良体1本の支持力は、

・先端地盤の支持力
・周辺地盤との摩擦(周面摩擦)

から求めます。固化材の添加量は、この支持力を満たす(上回る)ように決める必要があります。


■柱状改良の施工手順(例)

1⃣ 所定の位置に攪拌装置をセットする
2⃣ スラリーを注入しながら、掘進しつつ混合攪拌する
3⃣ 所定の深さまで到達したら注入を止め、定着攪拌(仕上げの攪拌)を行う
4⃣ 攪拌装置を引き上げて完了



次回は、鋼管杭・摩擦杭について、お話します。

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