NSJ住宅性能研究所

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地盤・基礎シリーズ4

要注意な地盤

■こんな地盤に注意(代表例5つ)

① 造成地(切土と盛土が混在している地盤)

造成地では、山を削った「切土」と、土を盛った「盛土」が混ざっていることがあります。

この場合、盛土側の地盤が沈みやすく、不同沈下の原因になります。

●起きやすいこと(現象)

・盛土部分だけ沈下量が大きくなり、不同沈下が起きやすい
・切土と盛土で揺れ方が違い、特に盛土側が大きく揺れやすい
・雨水がしみ込むと、盛土が滑りやすくなる

●対策

・盛土部分を地盤改良(表層改良など)する
・盛土部分に杭を打つ
・基礎や地中梁を強くして不同沈下を抑える(剛性アップ)

② 水田・湿地の上に盛土した造成地(沈下が進行中の地盤)

もともと水田や湿地だった場所は、地盤がやわらかいことが多いです。

特に、造成されてから30年未満の埋立地などは、まだ沈下が続いている可能性があります。

●起きやすいこと(現象)

・地盤が時間をかけて沈む「圧密沈下」が大きくなる
・引き込み配管(上下水道など)が壊れるおそれがある
・建物の重さの偏りがあると不同沈下が起きやすい

●対策

・基礎、地中梁を強くする
・杭や柱状改良で良い地盤に支持させる
・軟弱層が薄いなら表層改良を行う


③ 擁壁(ようへき)がある造成地(不安定な擁壁)

擁壁の近くに建物を建てると、建物の重さが影響して擁壁を押し出す力が働くことがあります。

擁壁が弱いと、地震や雨で動いたり崩れたりして危険です。

●起きやすいこと(現象)

・擁壁が横に動くと、建物が傾く
・擁壁が崩れると、建物が大きく損傷する可能性がある

●対策

・杭、柱状改良+基礎、地中梁の剛性アップで不同沈下を抑える
・擁壁を補強(アースアンカー等)する、または新しく作り直す
・そもそも擁壁に影響が出ない位置に基礎を計画する

④ 沖積層(軟弱層)が深い地盤

沖積層というやわらかい地層が30m以上続くような場所では、地震の揺れが増幅されやすいです。

木造住宅は剛性が低いと揺れが大きくなり、被害が出やすくなります。

●起きやすいこと(現象)

・圧密沈下が大きくなる
・引き込み管が破損するおそれ
・地盤の揺れの周期が長く、建物と周期が近いと共振して損傷が進みやすい

●対策

・基礎、地中梁を強くして不同沈下を抑える
・摩擦杭などで支持させる(支持層が深すぎて届かない場合が多い)
・壁を増やして建物の強度と剛性を上げ、固有周期を短くして共振の影響を減らす

⑤ 液状化のおそれがある地盤

地下水位が高く、ゆるい砂地盤では、地震時に土の中の水圧が上がり、砂が支える力を失って液状化します。

その結果、建物が沈んだり傾いたりします。液状化を完全に防ぐのは難しいため、住宅では「被害を小さくする対策」が中心になります。

●起きやすいこと(現象)

・噴砂(砂と水が地表に噴き出す)
・建物の沈下・傾斜・転倒のリスクが高まる

●対策

・基礎、地中梁の剛性を上げて不同沈下を抑える
・杭基礎を採用する
・地中梁で囲む範囲を小さくするなど、基礎をより剛強にする
・表層改良・柱状改良などの地盤改良を行う



次回は、擁壁について、お話します。

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