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基礎(きそ)は建物を地盤の上に安定して立たせるための土台です。 建物の重さ(鉛直荷重)や地震の力(水平荷重)を地盤に伝え、不同沈下(地面が部分的に沈んで建物が傾くこと)を起こしにくくする役割があります。 基礎計画では、地盤の強さと建物の特徴(形・重さ・壁の配置など)をセットで考えるのが重要です。
■鉛直荷重(建物の重さ)に対して基礎がやること 基礎は、建物の重さを受け止めて、地盤にうまく分散して伝えます。 ●地盤が耐えられる力=「地耐力」 地盤が 1㎡あたりどれだけの荷重に耐えられるかを「地耐力」と呼びます。 これは地盤調査の結果から推定します。 ●建物が地面にかける圧力=「接地圧」 建物の重さを、基礎が地面に接している面積(底版面積)で割ったものを「接地圧」といいます。 ・接地圧が地耐力より小さい → 地盤が耐えられるのでOK ・接地圧が地耐力より大きい → 地盤が負けて沈みやすい(不同沈下の原因) ●軟弱地盤なら「ベタ基礎」が有利 地耐力が小さい(弱い)地盤では、底面積を広くして圧力を分散できるベタ基礎が向いています。 床下全面にコンクリートの板(スラブ)を敷くため、接地圧を小さくしやすいからです。 ●板を敷くだけだと弱い ベタ基礎は面積が大きい一方で、底版だけだとひび割れしやすく、沈みにも弱くなりがちです。 そこで、 ・立上り(外周や内部の壁状部分) ・地中梁(床下の梁) を格子状に入れて、剛性(変形しにくさ)*高めます。 つまり、基礎は「面」だけではなく「枠」や「梁」を組み合わせて強くします。 ●基礎は上部構造(柱・壁)とセットで考える 建物の荷重は、柱や耐力壁がある位置に集まります。 そのため、基礎の立上りや地中梁も、上部構造の力の流れに合わせて配置しないと、無理が出ます。 主構面(柱や壁が連続する主要な通り)が整理されている建物ほど、基礎計画も自然とスッキリします。 ■水平力(地震など)に対して基礎がやること 地震などで建物に横向きの力がかかると、その力は次のように伝わります。 ●上部構造 → 基礎へ伝わる仕組み 水平力は主に、 ・土台と基礎立上りの接触面の摩擦 ・アンカーボルト(基礎と土台を締結するボルト) によって、建物から基礎へ伝わります。 ●基礎 → 地盤へ伝える仕組み 基礎に伝わった水平力は、 ・底版と地盤の摩擦 ・基礎の根入れ部分にかかる土圧(地面が押し返す力) で地盤に受け渡されます。 そのため、少なくとも建物の外周部には根入れ(埋め込み)が必要になります。 ●細長い建物は「転倒」も要注意 高さに対して平面が小さいような細長い建物は、地震時に転倒しようとする力が強くなります。 この場合、基礎には通常の反力に加えて転倒による反力も加わるので、 短期荷重(地震時など)でも地耐力をチェックする必要が出てきます。 ■基礎の役割をまとめると、 ① 鉛直荷重への対応 ・建物の重さを地盤へ伝える ・不同沈下を防ぐ(長期的に傾きにくくする) ・「接地圧 ≤ 地耐力」が基本条件 ② 水平荷重への対応 ・アンカーボルトなどで水平力を基礎へ伝える ・摩擦・土圧・根入れで地盤へ逃がす ・外周部の根入れが重要 ■立上り・地中梁が必要な理由 底版(スラブ)だけの基礎は、たとえるなら、枠のない紙のようなものです。 硬くて平らな机の上なら安定しますが、少し条件が悪いと変形しやすいです。 一方、紙の周りを枠で囲むと、形が崩れにくくなります。 この「枠」や「桟(さん)」の役割をするのが、 ・立上り(枠) ・地中梁(桟) です。 枠で区切られる面積が小さいほど、全体としてたわみにくくなります。 ■基礎は「平面計画」と連動させるべき 基礎の形は、単に地盤だけで決めるものではなく、建物の壁・柱の配置(平面計画)と連動させる必要があります。 ・荷重が集まる位置に、立上りや地中梁を通す ・上部構造の主構面に合わせる ・その結果、力の流れが自然になり、ひび割れや不同沈下のリスクも下がる という考え方です。
次回は、基礎の種類について、お話します。
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