NSJ住宅性能研究所

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架構計画シリーズ15

耐震・免震・制震

■免震構造とは

免震構造は、地面(実際は基礎)と建物の間に、ゴムなどの免震材を入れることで、地震の揺れが建物に直接伝わりにくくする構造です。

イメージとしては、建物の下にクッションを入れて、ガツンと来る揺れを受け流す感じです。


■なぜ効くの?

建物には、固有周期という、揺れやすいテンポがあります。

周期が短い(0〜1秒くらい)=カチッと硬い建物
→ このあたりの周期は、地震の力が入りやすく、入力が大きくなりやすい

周期が長い(2秒を超える)=ゆっくり揺れる建物
→ 地震の力が入りにくくなる傾向があり、入力が小さくなりやすい

超高層ビルが成立する理由の一つは、建物が高くなるほど周期が長くなり、結果として地震の入力が減りやすいという性質があるからです。

免震では、建物の下に周期の長い免震材を入れて、建物全体をゆっくり揺れる状態(見かけの周期を長くする)にします。

その結果、建物に入ってくる地震の力が小さくなり、建物の損傷や家具の転倒が起こりにくくなると考えられます。


■免震の注意点(重要)

ただし、免震は、上にある建物(上部構造)がある程度しっかりしていることが前提です。

地震力が小さくなるからといって、耐力壁などを減らして建物を柔らかくしすぎると、上部構造の周期も長くなってしまい、免震材と共振(同じテンポで揺れて増幅)して、逆に揺れが大きくなるおそれがあります。

そのため、免震は一般に、重くて剛性の高いRC造(鉄筋コンクリート造)のような建物に向いています。

一方で、軽くて柔らかい木造は揺れが大きくなりやすいので、揺れすぎないように制震装置を組み合わせるケースも多いです。

さらに免震には次のような条件もあります。

・暴風時などは免震装置の働きを止める(ロックする)必要がある場合がある
・建物が動くので、外周にぶつからないためのすき間(クリアランス)が必要



■制震構造とは

制震構造は、建物が大きく揺れたときに、制震ダンパーなどが地震のエネルギーを吸収して、揺れを抑え、損傷を減らす構造です。

具体例としては、

・筋かいに粘性ダンパーを組み込む(オイルの抵抗でエネルギーを吸収するようなイメージ)
・鉄板同士がすれる摩擦を利用してエネルギーを吸収する


■制震の注意点(重要)

制震は、大きく揺れたときに効果を発揮しやすい仕組みです。
逆に言うと、中地震程度だとあまり働かないことがあります。

だからこそ、制震を入れていても、

・耐力壁は基準どおり必要壁量を確保する
・制震材は、大地震の被害を減らすための追加装備と考える

という整理が大切です。


■3つの考え方(イメージ)

●耐震:耐力壁などで「揺れに耐える」

●免震:建物の下で揺れを「受け流す」(免震層が働く)

●制震:建物の中で揺れを「減らす」(ダンパーが吸収する)



次回は、耐震診断・補強について、お話します。

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