NSJ住宅性能研究所

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架構計画シリーズ14

大空間

四角代表的な架構(6種類)

① トラス架構(トラス)

三角形を並べた骨組みで、軽くて強いのが特徴です。

・平行弦トラス:上下の梁が平行で、間を斜材でつなぐタイプ
・山形トラス:屋根の形に合わせて、斜めの梁(登り梁)を組むタイプ

●注意点:

・斜材などの引張(引っぱる力)が入る部材は、接合部が弱点になりやすい
・支える点(柱の上など)に大きな反力がかかるので、RC柱や鉄骨柱にする/控え壁をつける/柱もトラス状にするなどの対策が必要になる

② アーチ架構(アーチ)

梁を弓なり(円弧など)にして、主に圧縮(押される力)で耐える構造です。

曲げが小さくなりやすいのがメリットです。

●注意点:

支点に、外側へ広がろうとする力=スラストが出るため、その力をどう受け止めるか(支点の処理)が重要です。


③ 吊架構(つり)

ケーブルで梁や屋根を吊り上げる構造です。

橋でよく使われます。

軽くて大スパンが可能です。

●注意点:

・ケーブル端部の固定方法
・風や雪などで片側だけに荷重が乗る偏荷重への対策

を検討する必要があります。

④ 折板架構(折り板)

紙を折ると硬くなるのと同じで、板に折り目(リブ)をつけて強くする構造です。

折り目を平行にしたり、放射状にしたりします。

●注意点:

折り目が開いて形が崩れないように、端部や周辺で広がりを押さえる仕組みがポイントです。

⑤ スペースフレーム架構(立体トラス)

格子梁を上下2層にして、交点を斜材でつないだ立体的な骨組みです。

強い一方で、部材も接合も多く複雑です。

●特徴:

接合箇所が多いので、一般的に金属の接合部品を使って組み立てます。

⑥ シェル架構(シェル・ドームなど)

曲面(シェル)をつくることで、構造を強くするタイプです。

ドーム、円筒、鞍型(サドル形)など様々な形があります。

HPシェル(ハイパボリック・パラボロイド):
板の対角の2点を上げ、反対側の2点を下げてねじれた曲面をつくる方式です。

曲面によって、引張と圧縮がうまく分担されます。


■混合(ハイブリッド)型の考え方

一つの方式だけでなく、例えば

・アーチ+吊りのように組み合わせる(例:サスペンアーチ)
・放射状にして、周囲に圧縮リングで力を回す

など、複数の原理を使って合理的に設計する場合もあります。


■大スパン架構の事例(イメージ)

●事例①:トラス屋根の体育館

・下部(柱など):RC造でしっかり支える
・上部:木造トラス屋根を架ける
・棟(頂部)をピン接合にして、力の逃げ道をつくる
・トラスの脚はRCの片持ち柱で支持する
→ 木造の軽さと、RCの強さを組み合わせた例

●事例②:アーチ屋根の体育館

・ステージ・更衣室などをRC造のコア(固い箱)として両端に配置
・その上に集成材のアーチ梁を架ける
・アーチの端で出るスラストは、RCコアで処理する
→ アーチの弱点である支点の水平力を、RCコアで受けている



次回は、耐震・免震・制震について、お話します。

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