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■なぜスキップフロアは構造的に難しいのか スキップフロアは、床が階段みたいに少しずつ高くなっていくつくりです。 見た目や空間の広がりは魅力ですが、構造的には、床が一枚の板のように働きにくい問題が出ます。 地震が来ると、床には横方向の力がかかります。 床が連続していれば、その力を床全体で分担できます。 しかし、段差の部分が空いている(開口になっている)と、床が途中で切れているのと同じ状態になり、力が伝わりにくくなります。
■段差部分が「開口」だとどうなる? ある解析例では、床が段々になった構造に地震力をかけたとき、 段差部分が全部吹抜けのように空いている場合、 ・上に行くほど床のねじれが大きくなった ・1段ごとのズレ(変形量)は 約1cm ・変形の大きさを角度でみると 層間変形角 1/80 という大きめの変形になる つまり、床がつながっていないせいで、上の階ほどぐにゃっと歪みやすいということです。 ■段差部分が「壁」だとどう変わる? 同じ条件でも、 段差部分が壁でふさがれている(床がつながっている)場合、 ・ねじれはほとんど起きなくなった ・1段ごとのズレは 約0.5cm ・層間変形角は 1/160 程度まで小さくなる つまり、段差部分で床に連続性があると、揺れ方が素直になり、ねじれが抑えられるということです。 ■開口だと「細長い吹抜け」と同じ状態になる 段差部分が全部開口というのは、床を広げて考えると、細長い吹抜けで床が分断されているのと同じです。 この状態だと、分断されたそれぞれの床の下に、それぞれ耐力壁(地震に耐える壁)が必要になります。 なのでスキップフロアは、全体で壁量を満たすだけでは不十分で、ブロックごとに壁量を確保してバランスよく配置する必要があります。 ■スキップフロア設計でのチェックポイント(要点) スキップフロアを安全に計画するには、次の点を意識します。 ・床の高さごとに分けて考え、それぞれの床面積で壁量を確保する ・段差部分をつなぐ耐力要素(壁など)を入れて、床の水平剛性を高める ・家全体として耐力壁の配置バランス(偏り・ねじれ)をチェックする ・耐力壁の間隔が広いなら、内部壁を入れて局部的な変形やねじれを抑える(ねじれを補正できる位置に配置する)
次回は、大空間について、お話します。
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