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■エキスパンションって何? エキスパンションとは、 性質の違う建物どうしが、お互いに悪い影響を与えないように、あえて切れ目(スキマ)をつくること です。 このスキマをつくることで、 ・力を伝えない ・ぶつからない ようにします。 エキスパンションが必要になるケースは、主に次の2つです。 ①地震などの水平力に対して ②地盤の沈下に対して
■ケース① 上部構造(建物本体)のエキスパンション ● なぜ必要になるのか? 例えば、 ・片方は、2階建て ・もう片方は、平屋 のように、高さや重さ、剛性が違う建物が隣り合っていると、地震のときの揺れ方や変形量が違います。 それぞれの建物が最大限に横方向へ変形した状態を考え、 ぶつからないだけのスキマ(エキスパンション) を外壁どうしの間に確保します。 ● どれくらいスキマをあけるのか? 一般的な木造住宅では、 層間変形角 ≒ 1/30 と考えます。 ここで、 ・建物高さ:H ・大地震時に両方が同じ方向に最大変形したと想定 すると、 ・片側の建物の変形量:H/30 ・もう片側も:H/30 合計:H/30 + H/30 = 2×H/30 = H/15 よって、 外壁面と庇(ひさし)先端の間のスキマは、少なくとも、H/15以上 確保するようにします。 ● 地盤が良い場合 地盤が十分に固い(良質な地盤)の場合は、基礎は一体のままとしても構いません。 このケースでは、上部構造だけをエキスパンションで分けるイメージです。 ■ケース② 基礎のエキスパンション(沈下への対応) ● どんなときに必要? 軟弱地盤の上に、 ・重い建物 ・軽い建物 が並んで建っている場合を考えます。 軟弱地盤では、 ・重い建物:沈下しやすい ・軽い建物:沈下が小さい となりやすく、不同沈下(建物どうしの沈み方がバラバラになること)が起こるおそれがあります。 このとき、基礎コンクリートを一体のままにしてしまうと、片方の沈下がもう片方に悪影響を与えてしまいます。 そこで、基礎にもエキスパンションを設けて分割し、それぞれが独立して沈下できるようにします。 ● 幅はどれくらい必要? 基礎のエキスパンションの幅は、ケース①(地震時の水平変形)ほど大きくする必要はありません。 ただし、沈下量の違いによって段差が生じる可能性があります。 そのため、 ・仕上げ(床・外構など)の納まり ・設備配管(給排水管など)の取り回し について、段差が生じても対応できるように、設計段階で配慮しておくことが重要です。 <まとめ> エキスパンションは、性質の異なる建物どうしが、ケンカしないように分けるためのスキマ。 必要になるのは主に、 ①地震時の水平力対策(上部構造) ②軟弱地盤での沈下対策(基礎) 水平力対策では、両方の建物が最大変形してもぶつからない寸法(目安:H/15)のスキマを確保する。 軟弱地盤では、基礎も分割し、不同沈下が起こっても互いに悪影響が出ないようにする。 そのうえで、段差が出ても困らないように仕上げや設備を設計しておくことが大切です。
次回は、木造住宅の被害について、お話します。
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