水平構面と変形
木造建物では、
・水平構面(床や屋根の面のこと)
・耐力壁(筋かい壁や合板貼りの壁)
・それぞれの剛性(かたさ)
・どこに配置するか
が、お互いに強く影響し合います。
とくに水平構面の変形の仕方をできるだけ均一にすることが重要です。
もし、ある部分だけが大きく変形してしまうと、
・せっかくの耐力壁がうまく働かない
・耐力壁が効く前に、床や接合部が先に壊れてしまう
といった問題が起こりやすくなります。
■外周だけで壁量を満たすと何が起こるか
2階建ての2階のように、必要壁量そのものは小さい階では、外周部だけに耐力壁を配置しても建築基準法上の必要壁量を満たしてしまうことがあります。
しかし 壁が外周にしかない ということは、
耐力壁の「構面間距離(耐力壁どうしの間隔)」が長くなり、その長いスパンを、床や屋根の水平構面が一生懸命つなぐという状態になります。
このとき、
・水平構面の剛性(床倍率)
と、
・構面間距離の長さ
が、変形の分布や、梁や継手に生じる軸力に大きく影響します。