アンカーボルト
まずはポイントから。
・アンカーボルトは、土台がずれたり浮き上がったりするのを止める部材
・同時に、柱の引抜力にも抵抗する
・コンクリート打設中にアンカーボルトをあとから差し込む田植えはNG
■ずれと引抜きの防止
耐力壁に地震や風などの水平力がかかると、耐力壁の端にある柱には引抜力(上向きの力)が生じます。
柱は土台と金物などでしっかりつながっているため、柱だけでなく土台ごと基礎から浮き上がろうとします。
そこで使うのがアンカーボルトです。
・アンカーボルトは、土台と基礎を緊結するボルト
・土台の浮き上がり(引抜き)と水平方向のずれの両方を防ぎます
アンカーボルトに伝わった引抜力は、
土台 → アンカーボルト → 基礎コンクリート → 地盤
という流れで、スムーズに地面まで逃がしてあげる必要があります。
そのために、アンカーボルトには次の2つの性能が必要です。
①ボルト自体の引張耐力
ボルトそのものがちぎれない強さ
②ボルトとコンクリートの付着耐力
コンクリートの中に埋まっている部分で抜けない強さ
特に②の付着耐力は、コンクリートの中に埋まっているボルト表面積に大きく影響します。
つまり、
・埋込み長さが長いほど、
・太いボルトを使うほど、
付着耐力は大きくなります。
たとえば、
直径12mmのアンカーボルトをコンクリートの中に250mm埋め込んだ場合、
付着耐力はおよそ 17.5kN(コンクリート強度 Fc=21 のとき) とされています。
この程度の耐力があれば、一般的な柱脚の引抜きにもある程度対応できます。
それ以上の引抜力が発生する場合は、
・埋込みをもっと深くする
・ボルト径を太くする
などの方法で、必要な耐力を確保します。