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家の骨組み(軸組)をどう組むかは、耐震性や施工のしやすさに関わる、とても大事な第一歩です。 大きく分けて3つ(+1つ)のタイプがあります。
① 柱通しタイプ 特徴: 1本の柱を1階から2階まで通して建てる(=通し柱) その柱に2階の梁(床を支える横材)を差し込む。 メリット: 梁の天端がそろいやすいので、床がしっかりして揺れにくい。 注意点: 梁を差し込むときに柱の一部を欠くので、その部分の強度低下に注意。 建て方の手順にも配慮が必要。 ② 梁通しタイプ 特徴: 柱はすべて「管柱」(1階ごとで止まる柱)にして、まず横に梁を通し、その上に別の梁を組む。 渡り腮(わたりあご)という方法を使う。 メリット: 仕口(部材を組む部分)の形が単純で、施工が比較的ラク。 注意点: 梁を積み上げる構造なので、床の剛性(強さ)は低め。 梁はできるだけ長いものを使うのが理想だが、敷地条件で継手を設ける場合は、力のかかりにくい場所を選ぶ必要がある。 ③ ミックスタイプ(通し柱+渡り腮) 特徴: 柱通しと梁通しを組み合わせ、直交する梁の高さをずらして組み込む方法。 メリット: 柱や梁の欠損が小さくなる。 注意点: 床の剛性については梁通しと同じように配慮が必要。 (④)実際に多い「場当たり的なタイプ」 現状: 多くの住宅は「通し柱を通せるところだけに入れて、梁はスパンごとに短く区切る」という方法が多い。 メリット: 部材を小さくできるので材料は減る。 デメリット: 接合部(つなぎ目)が増えて施工の手間がかかる。 構造的に計画されていないため、強度や耐久性の面で効率が悪い。 <まとめ> ・柱通しタイプ:強度は高いが、加工に注意が必要 ・梁通しタイプ:施工しやすいが、床の剛性はやや弱い ・ミックスタイプ:バランスがよいが、床剛性の配慮が必要 ・場当たりタイプ:実際に多いが、施工の効率や強度に課題あり 「どこで柱を通すか、どこで梁を通すか」をきちんと考えて設計することが大事。間取り優先で計画すると、強度や施工性に問題が出やすくなります。
次回は、柱通しタイプについて、お話します。
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