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■軸組とは? 建物の「骨組み」のことを軸組(じくぐみ)といいます。 主に柱と横架材(梁など)で構成され、建物を支える大切な部分です。 ■柱の役割 ・建物の重さを支える(鉛直荷重に抵抗) 柱は屋根や床などの重さを下に伝える役割があります。 柱が長いわりに断面が細いと「座屈(ざくつ)」といって曲がって折れる危険があるため、十分な太さが必要です。 ・横からの力に抵抗する(水平荷重に抵抗) 地震や風などで建物に横方向の力がかかると、柱は耐力壁の枠として働きます。 引っ張られる力(引張力)に対しては、柱と梁の接合部が外れないように注意が必要です。 押される力(圧縮力)に対しては、柱が座屈しないようにすることが大事です。 ・柱は連続して配置するのが理想 上下階で柱がつながっている方が力をスムーズに伝えられます。 社寺建築のように直径24cm以上の極太の柱で、さらに「貫(ぬき)」などでしっかりつながれていない場合、柱そのものの「横方向への抵抗力」はあまり期待できません。
■横架材(梁など)の役割 ・床や屋根の重さを柱に伝える 横架材は床や屋根からの荷重を受け、それを柱に伝える役割があります。 木材は鉄やコンクリートに比べて「ヤング係数(かたさの指標)」が低いため、たわみやすい特徴があります。 たわみが大きいと、雨漏りや床鳴り、建具のズレなどにつながるので、設計時にしっかり検討が必要です。 ・横からの力に抵抗する(水平荷重に抵抗) 耐力壁や床・屋根の外周枠として、地震や風による横方向の力に対抗します。 特に引張力に対しては、継手や柱との接合部が外れないように工夫が必要です。 ・接合部の工夫が重要 梁の端(支持点)は力が集中しやすいので、抜け出し防止や接合形状に注意することが求められます。 <まとめ> ■柱の役割 ・建物の重さを支える(圧縮力に抵抗) ・耐力壁の枠として横力に耐える(引張力・圧縮力) ・接合部の離れや座屈に注意 ■横架材(梁など)の役割 ・床や屋根の重さを柱に伝える ・たわみによる不具合を防ぐ ・横方向の力に耐える(特に引張に注意) 柱は「縦の力」を支える役割が中心で、横架材は「横の力」や「床・屋根の荷重」を支える役割が中心です。 両者がうまく組み合わさることで、建物の骨組みは強く安定します。
次回は、木造軸組みタイプについて、お話しします。 (※10/7(火)~10/11(土)ブログお休みします)
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