NSJ住宅性能研究所

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木構造シリーズ22

柱と横架材

■軸組とは?

建物の「骨組み」のことを軸組(じくぐみ)といいます。

主に柱と横架材(梁など)で構成され、建物を支える大切な部分です。


■柱の役割

・建物の重さを支える(鉛直荷重に抵抗)

柱は屋根や床などの重さを下に伝える役割があります。

柱が長いわりに断面が細いと「座屈(ざくつ)」といって曲がって折れる危険があるため、十分な太さが必要です。

・横からの力に抵抗する(水平荷重に抵抗)

地震や風などで建物に横方向の力がかかると、柱は耐力壁の枠として働きます。

引っ張られる力(引張力)に対しては、柱と梁の接合部が外れないように注意が必要です。

押される力(圧縮力)に対しては、柱が座屈しないようにすることが大事です。

・柱は連続して配置するのが理想

上下階で柱がつながっている方が力をスムーズに伝えられます。

社寺建築のように直径24cm以上の極太の柱で、さらに「貫(ぬき)」などでしっかりつながれていない場合、柱そのものの「横方向への抵抗力」はあまり期待できません。


■横架材(梁など)の役割

・床や屋根の重さを柱に伝える

横架材は床や屋根からの荷重を受け、それを柱に伝える役割があります。

木材は鉄やコンクリートに比べて「ヤング係数(かたさの指標)」が低いため、たわみやすい特徴があります。

たわみが大きいと、雨漏りや床鳴り、建具のズレなどにつながるので、設計時にしっかり検討が必要です。

・横からの力に抵抗する(水平荷重に抵抗)

耐力壁や床・屋根の外周枠として、地震や風による横方向の力に対抗します。

特に引張力に対しては、継手や柱との接合部が外れないように工夫が必要です。

・接合部の工夫が重要

梁の端(支持点)は力が集中しやすいので、抜け出し防止や接合形状に注意することが求められます。


<まとめ>

■柱の役割
・建物の重さを支える(圧縮力に抵抗)
・耐力壁の枠として横力に耐える(引張力・圧縮力)
・接合部の離れや座屈に注意

■横架材(梁など)の役割
・床や屋根の重さを柱に伝える
・たわみによる不具合を防ぐ
・横方向の力に耐える(特に引張に注意)

柱は「縦の力」を支える役割が中心で、横架材は「横の力」や「床・屋根の荷重」を支える役割が中心です。

両者がうまく組み合わさることで、建物の骨組みは強く安定します。



次回は、木造軸組みタイプについて、お話しします。
(※10/7(火)~10/11(土)ブログお休みします)

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