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■木材の寸法の基本 建築に使う柱や梁(はり)は、短辺(幅)が90mm以上で、長辺(高さ)は約30mmごと(1寸刻み)に大きくなるように規格化されています。 たとえば、90mm×120mm、90mm×150mmといった形で寸法が増えていきます。 床を支える根太(ねだ)や屋根の垂木(たるき)、筋かいなどは、厚み15mm以上で約3mm刻み(1分刻み)でサイズが決まります。 ■標準的な長さ 柱: 3m(管柱用)、6m(通し柱用)が基本。 住宅の階高(約2.7m)に合わせています。 梁: 4mが基本。 住宅の2間(約3.6m)に対応するためです。 ※6mを超えると特注扱いになります
■寸法の呼び方と表記方法 断面が正方形なら「正角(しょうかく)」、長方形なら「平角(ひらかく)」と呼びます。 設計図では、柱は「B×D」(B=幅、D=奥行き)、梁は「幅B×高さD」と表記します。 ただし、設計者によっては「見付け×奥行き」と逆に表す場合もあるので注意が必要です。 ■寸法誤差(許容差) JASでは、製材した木材に多少の誤差があることを認めています。 たとえば、 人工乾燥材では「-0mm ~ +2.0mm」程度の誤差が許容されます。 未処理の材では「-0mm ~ +5.0mm」と、やや誤差が大きくなります。 長さは「短くなってはいけない(-0は不可)」とされ、長い分には問題ありません。 ■丸太材・太鼓梁(たいこばり) 丸太をそのまま使う場合、末口(木の先端側)直径を基準に「末口180Φ」といった表記をします。 丸太の両側だけを平らに削ったものは「太鼓梁(太鼓落し)」と呼ばれます(上下は丸太のまま) 長さは1m刻みで、梁材は4mが最も多く使われます。 <まとめ> ・木材寸法は、日本の伝統的な「尺・寸・分」をベースにしている。 ・柱は3m・6m、梁は4mが基本。 ・断面寸法は90mm以上で30mm刻み。 ・誤差の範囲はJASで規定されている。 ・丸太や太鼓梁は「末口径」で表す。 木材のサイズは「日本の伝統単位」と「住宅設計の標準寸法」に合わせて決まっており、流通や加工のしやすさを考慮してJASで細かくルール化されています。
次回は、燃えしろ設計について、お話しします。
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