NSJ住宅性能研究所

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木構造シリーズ15

木材の異方性

木材は方向によって乾燥収縮と強度が異なります。

方向性を理解して特徴を最大限活用することが大切です。


■木材の3方向

・繊維方向(縦方向)
・半径方向(柾目方向)
・接線方向(板目方向)


① 乾燥収縮

・接線方向が最も収縮しやすい
・柾目板では心側より樹皮側が薄くなる
・板目材では木表側が収縮しやすく、木表側に「反り」が出やすい
・角材も同様に方向ごとに異なる収縮を示す

② 強度の方向性

・繊維に平行な方向 → 強い
・繊維に直角な方向 → 弱い(ただし「めり込み」により粘り強さが出る)
・接合部での挙動(鉄板+ボルト例)
・繊維に直角方向(90°)
 → ボルトがめり込み → 脆い破壊(割裂)
・斜め方向(中間角度)
 → 中間的な強度
・繊維に平行方向(0°)
 → ボルトが繊維方向に抜ける → 距離が十分なら粘り強い

■収縮の異方性(参考)

・含水率と収縮率の関係を示すグラフ
接線方向>半径方向>繊維方向の順で収縮率が大きい


この内容を図解化すると、

・「木材の方向ごとの模式図」(繊維・半径・接線)
・「乾燥収縮の矢印」(板材の反りをイラストで)
・「接合部の破壊例」(鉄板・ボルトで繊維方向との関係を示す)
・「収縮率グラフ」(棒グラフや折れ線で方向差を可視化)

があると、より理解しやすくなります。



次回は、含水率について、お話しします。

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