NSJ住宅性能研究所

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木構造シリーズ14

木質材料

■木質材料の特徴

木質材料とは、小さな木片を乾燥させて接着剤で固めた材料のことです。

この方法で作られた材料は 寸法が安定しやすく、品質のばらつきが少ないという大きな特徴があります。

天然の木(ムク材)は育つ環境で強さや性質が変わりますが、木質材料は人工的に整えているため扱いやすいのです。


■なぜ木質材料が必要なのか?

丸太をそのまま柱や梁に使えるように製材するには、50年以上育った大きな木が必要です。

しかし、間伐材や小さな丸太(小径材)、廃材などを有効活用するために、接着や加工でつくられる木質材料が開発されました。

これにより、資源を無駄なく使えるようになっています。


■代表的な木質材料

・構造用集成材
薄く切った板(ラミナ)を重ねて接着した材料。
大きさや形を自由に設計でき、柱・梁・アーチ材などに使われます。

・構造用合板
単板を繊維の方向が直交するように貼り合わせた板。
床・壁・屋根の下地材として使われ、日本農林規格(JAS)で規定があります。

・LVL(単板積層材)
単板をすべて同じ方向に積層してつくる板。
梁や根太、I形梁の部材などに利用されます。

・OSB(配向性ストランドボード)
北米で開発されたパネル。
細長い木片(ストランド)を向きを揃えて固めた板で、床や耐力壁に使われます。
JASでは「構造用パネル」として規格があります。

・MDF(中密度繊維板)
木材を繊維状にほぐして接着した板。
主に内装材に使われますが、耐力壁に利用できる場合もあります。
日本工業規格(JIS)で規定されています。


■製造工程のイメージ

・丸太を切る → 板や角材(これ自体は一般に「木質材料」とは呼ばない)

・板を接着して継ぐ → 集成材やLVL

・単板を直交や並行に積む → 合板やLVL

・木を細片や繊維にして固める → OSBやMDF

<まとめ>

木質材料は 「天然木を効率よく使い、性能を安定させる工夫」 で生まれた素材です。

建築や家具に幅広く使われ、今では木造建築を支える欠かせない材料となっています。



次回は、木材の異方性について、お話しします。

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