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木の種類や部位によって性質は大きく違います。 目的に合った「適材適所」で選ぶことが大切です。 ■針葉樹と広葉樹 木材は大きく分けると 針葉樹 と 広葉樹 の2種類があります。 ・針葉樹 繊維がまっすぐで軽く、加工がしやすい木が多い。 柱や梁などの構造材のほか、家具や建具などにも使われます。 → 代表例:スギ、ヒノキ、ツガ ・広葉樹 「堅木」とも呼ばれ、硬くて重いものが多い。加工はやや難しいが、種類が豊富で見た目のバリエーションも多い。 ケヤキやクリは構造材にも使われることがありますが、多くはダボや楔などの「接合部材」に利用されます。
■木材の切り口と部位の呼び方 木材を切る方向や断面によって名前がついています。 ・木口面(こぐちめん):繊維を直角に切った断面(年輪が見える面) ・柾目面(まさめめん):樹の中心を通るように縦に切った断面(まっすぐな模様) ・板目面(いためめん):樹皮に近い側を縦に切った断面(山形や波模様が出やすい) また、色の違いによっても部位を区別します。 ・心材(しんざい):中心部。赤や黒に変色し、腐りにくく虫にも強い。 ・辺材(へんざい):外側の白っぽい部分。強度は高いが、水分や栄養が多いためシロアリや腐朽菌に弱い。 → 例えば、土台や水回りに使う木材は「ヒノキやヒバ」でも 心材部分 を選ぶのが鉄則です。 ■針葉樹と広葉樹の構造の違い ・針葉樹 水を運ぶ組織は「仮道管」 早い時期にできる細胞(早材)は太くて壁が薄く、遅い時期の細胞(晩材)は細くて壁が厚い。 → 年輪がはっきり見えるのはこの違いによる。 ・広葉樹 水を運ぶ組織は「道管」 道管の並び方によって3タイプに分類できる: ① 散孔材(例:サクラ) ② 環孔材(例:ケヤキ、クリ、ヤチダモ) ③ 放射孔材(一部の樹種で見られる) ■木材の構成要素 木の断面には次のような部分があります。 髄、心材、辺材、移行材(白線帯)、形成層、樹皮、年輪、繊維方向、半径方向、接線方向 ■害虫と耐久性 スギやヒノキでは、白い辺材部分はシロアリに食べられることがありますが、赤い心材部分は食害を受けにくいという特徴があります。 <まとめ> 木材は「種類(針葉樹か広葉樹か)」と「部位(心材か辺材か)」で性質が大きく変わる。 設計上は強度やヤング係数に基づいて断面を決めればどの樹種でも使えるが、実際は 材質の安定性・コスト・流通・耐久性(腐りにくさ・シロアリへの強さ) も考慮して選ぶ必要がある。
次回は、木質材料について、お話しします。
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