NSJ住宅性能研究所

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木構造シリーズ12

木造とその他構造

1. 建物に使う主な材料

建物をつくる材料にはいろいろありますが、代表的なのは「木」「コンクリート」「鉄」です。

■木材(Wood)
・軽いが強度はあまり高くない
・壊れるときは「パキッ」と脆く壊れやすい

■コンクリート(Concrete)
・砂や砂利、水をセメントで固めたもの
・圧縮には強いが、引っ張られる力には弱い
・とても重い

■鉄(Steel)
・強度が高く、しなやかさ(粘り強さ)もある
・重いので、建材として使うときはH形鋼など薄く加工して使う


2. 構造体としての特徴

建物の骨組み(構造体)には大きく分けて3つの種類があります。

■木造(W造 / Wood)
・4m前後の木材を組み合わせて骨組みをつくる
・木自体は脆いが、接合部を工夫することで「粘り強さ」が出る
・建物が軽いので、基礎も小さめで済む
・揺れるときは「ゆっくり大きく揺れる」やわらかい建物

■鉄筋コンクリート造(RC造 / Reinforced Concrete)
・鉄筋を組み、その周りをコンクリートで固めて一体化
・とても重い建物になる
・剛性(かたさ)が高く、揺れにくい(小刻みに揺れる)
・「硬い」印象の建物

■鉄骨造(S造 / Steel)
・H形鋼などの鋼材を組み立ててつくる
・接合は溶接やボルトで強固につなぐ
・建物はRC造より軽い
・剛性・粘り強さの両方があるが、やや揺れやすい


3. 耐震性能の違い

地震のときにどのくらい「層ごとに変形を許すか」という基準(層間変形角)が決まっています。

・木造:1/120までOK(変形を大きめに許す → 粘り強さで吸収)
・RC造・S造:1/200までOK(変形は小さく制限 → かたい構造で抵抗)

この違いからも、木造は「壊れにくい柔らかさ(粘り強さ)」を持ち、RCやS造は「壊れない硬さ」で耐震性を確保しているといえます。


<まとめ>

・木造=軽くて柔らかいが粘り強い
・RC造=重くて硬い
・S造=鉄で強く、硬さと粘り強さのバランスがある

というイメージです。



次回は、樹種と性質について、お話しします。

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