JavaScript を有効にしてご利用下さい.
ポイント ・曲げヤング係数は「たわみ(曲がりやすさ)」に関係する ・剛性は「強度と変形の関係」 ・靭性は「壊れる前にどれくらい変形できるか」を表す ■ヤング係数とは? 物体に力を加えると、必ず少し変形します。 例えば梁の真ん中に荷重をかけると、梁は下にたわみます。 このたわみ量は次の要素で決まります ・荷重の大きさ ・梁の長さ(スパン) ・梁の断面形状(幅や高さ) ・材料そのものの性質 このうち「材料の性質」を表すのが ヤング係数 です。 ・ヤング係数が大きい材料 → たわみにくい ・ヤング係数が小さい材料 → たわみやすい
■木材の等級分けとヤング係数 木材はヤング係数の大きさでランク分けされます。 等級 ヤング係数 (N/㎟) 代表値 (N/㎟) E50 3,923~5,884 4,903 E70 5,884~7,845 6,865 E90 7,845~9,807 8,826 E110 9,807~11,768 11,787 例:ヤング係数が 6,500 N/㎟ の木材は E70 に分類されます。 同じ「E70」でも、下限に近い木材と上限に近い木材では 1.2~1.5倍の差 があります。 ➡ 設計では、このバラつきを考慮して 安全率をとることが重要 です。 ■剛性と靭性 ・剛性(Stiffness) → 「力を加えたとき、どれくらい変形しにくいか」 同じ力を加えたとき、変形が小さい部材は剛性が高い。 剛性が高い部材は、一定の変形に達するまでに必要な力(耐力)も大きい。 ・靭性(Ductility) → 「壊れるまでにどれくらい変形できるか」 靭性が高い部材 → 大きく変形してから壊れる(粘り強い壊れ方)。 靭性が低い部材 → 小さな変形ですぐに壊れる(脆性破壊)。 ■ヤング係数とたわみの関係 ・ヤング係数が高い → たわみが小さい ・ヤング係数が低い → たわみが大きい つまり、ヤング係数は「部材の変形のしにくさ」を表す指標です。 ■構造特性の比較(概念図イメージ) 強度(どれだけの荷重に耐えられるか)と変形の関係をグラフで表すと、次のように比較できます。 性質 ① ② ヤング係数 K1 > K2 強度 P1 > P2 靭性 δ1 < δ2 剛性 P1'/δ' > P2'/δ' <まとめ> ・ヤング係数=たわみにくさ ・剛性=変形に対する強さ ・靭性=壊れるまでの粘り強さ と覚えると理解しやすいです。
次回は、層間変形角について、お話します。
▲このページのTOPへ