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建物の梁を設計するときには、その梁を「どんな支え方をしているか」に応じてモデル化して考えます。 代表的な3種類が 単純梁・連続梁・片持梁 です。 ① 単純梁(たんじゅんばり) 両端をピンで支えている梁。 たとえば、大梁に差し込んだ小梁や、通し柱に差し込んだ大梁(胴差し)がこれに当たります。 イメージとしては「両端でただ支えているだけの梁」です。
② 連続梁(れんぞくばり) 1本の梁に3点以上の支えがあるもの。 たとえば、大梁の上に小梁が渡っていく場合や、通し柱と通し柱の間に管柱がある胴差しなどです。 ただし、梁の途中に継手(つぎめ)がある場合は、その部分で梁が「分かれた」と考えるので、別々の単純梁として扱います。 ③ 片持梁(かたもちばり) 一端は固定されているけれど、もう一端は支えがない梁。 バルコニーや庇(ひさし)などの「はね出し部分」がこれに当たります。 別名「はね出し梁」とも呼ばれます。 ■片持梁の注意点 片持梁(はね出し梁)は、設計するときに特に注意が必要です。 なぜなら、支え方が弱いと落下してしまう危険があるからです。 ■注意するポイント 通し柱の中間からはね出す場合 → 方杖(補強材)を入れる、またはL字金物でしっかり固定する。 → 柱に曲げの力がかかるので、柱断面の強さに注意。 「引き」が短い場合 → 支点(固定部分)の留め方が非常に難しく、外れやすい。 「引き」の長さが十分ある場合(L0≧1.5~2×L’) → はね出した部分の長さ(L’)に対して、引き込む長さ(L0)を1.5~2倍以上確保する。 → そうすれば支点がはね上がらないようにできる。 <まとめ> 梁のモデル化は「支え方」で分ける(単純梁・連続梁・片持梁)。 特に片持梁(はね出し梁)は危険があるため、十分な「引き」としっかりした接合が必須。 「はね出し部分は、支えの長さと固定の仕方が命」 というイメージを持っておくと理解しやすいです。
次回は、強度と変形について、お話します。
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