NSJ住宅性能研究所

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木構造シリーズ5

鉛直荷重

建物には上から下へ、重さや荷重が順番に伝わっていきます。

構造設計では、この「力の流れ」を理解することがとても大切です。

基本的には 「小さい部材 → 大きい部材」、「上 → 下」 という流れになります。

鉛直荷重には、建物の自重(固定荷重)、人や家具の重さ(積載荷重)、雪の重さなどがあります。

これらはすべて重力方向に下へ流れていきます。


① 屋根まわりの流れ

屋根材や雪の重さがまず 野地板 にかかる。

→ 垂木
→ 棟木・母屋・軒桁
→ 小屋束
→ 小屋梁
→ 柱 へ流れる

※場合によっては「棟木・母屋から直接柱へ」、「小屋梁から直接柱へ」流れることもある。


② 2階床まわりの流れ

人や家具の重さが 床板 にかかる。

→ 根太
→ 小梁(甲乙梁)
→ 大梁
→ 柱
→ 土台
→ 基礎

※最近は根太を使わずに、厚い構造用合板(24〜28mm)を床梁に直接張る工法も多い。
※筋かい(耐力壁)は基本的に横方向の力を受けるため、縦荷重は負担しない。


③ 1階床まわりの流れ

  床板
→ 根太
→ 大引
→ 土台
→ 基礎
→ 地盤

さらに、床束を使う場合は以下のルートもある。

大引 → 床束 → 地盤

床束を束石や土間コンクリートに直接置けば、そのまま地盤に力が伝わる。


<まとめ>

木造住宅の鉛直荷重は、基本的に、

屋根 → 小屋組 → 柱 → 土台 → 基礎 → 地盤

という順番で下に伝わっていきます。

つまり、建物は「上から下へ」、「小さい部材から大きい部材へ」と力を受け流す仕組みになっています。

この流れを正しく理解することが、構造設計の第一歩です。



次回は、水平荷重について、お話します。

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