NSJ住宅性能研究所

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木構造シリーズ3

荷重に作用するもの

建物にかかる力(=荷重)は、かかる向きとかかる時間の長さで分けて考えることができます。


1. 荷重の向き(方向)

建物にかかる力には、大きく分けて鉛直方向(上から下への重さの方向)と水平方向(横から押す力)があります。

■鉛直方向の荷重
・建物自体の重さ(コンクリートや木材などの自重)
・人や家具などの重さ(積載荷重)
・雪(多雪地域では特に大きな荷重になる)

■水平方向の荷重
・地震の揺れ(横方向の力が大きい)
・強風による圧力(台風などで横から押される)
・土の圧力(地下や斜面に建つ建物では、土が横から押す)
・水の圧力(水槽やプールの水が壁を押す)

※地震や風は上下方向にも力を与えますが、建物に与える影響は横方向の方が大きいため、設計では「水平力」として重視します。


2. 荷重のかかる時間

荷重はずっとかかっているもの(長期荷重) と、たまにしかかからないもの(短期荷重) に分けられます。

■長期荷重(常にかかる力)
・建物の重さ(自重)
・人や家具の重さ(積載荷重)
・土圧や水圧

■短期荷重(たまにかかる力)
・雪(雪国では長期に近くなる場合もある)
・風(年に数回の台風などで強い力になる)
・地震(頻度は低いが、発生時の力は非常に大きい)

設計では、こうした「
よくかかる荷重」と「まれにかかる荷重」を区別して、それぞれに耐えられるように構造部材の強さを決めます。


<まとめ>

・建物には、上下方向の荷重と横方向の荷重がある
・荷重は いつもかかるもの(長期荷重) と たまにかかるもの(短期荷重) に分けられる
・構造設計は、これらの荷重を想定して建物の安全を確保する作業

建物を設計するときには「どの向きにどんな力が、どのくらいの時間かかるのか?」を考えて、それに耐えられるように部材を選び、組み合わせる必要があるということです。



次回は、木造の許容応力度について、お話します。

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