県産木材の需要ともくネットちば
■県産材の需要を広げるには
(A) 設計や調達の段階で「JAS材を前提にする」
中規模以上の木造建築や、非住宅建築は基本的に構造計算が必須です。
そこで「JAS材」を使うことを標準にすると有利です。
・発注書には ヤング係数(E値) や 含水率(D15=15%以下、D20=20%以下) を明記する
・設計審査では、JASマークや格付票、乾燥区分の証明を提出すれば品質確認がスムーズ
(B) 供給体制を強化する(千葉の課題)
県産材を広く使ってもらうには、供給側の力を底上げすることが必要です。
・JAS認証工場を増やす(構造用製材、2×4材、保存処理材など)
・人工乾燥機などの設備を整え、安定的に高品質な材を出せるようにする
最新の認証工場数は、農林水産省やJLIRA(認証団体)の公開リストで確認できます。カテゴリごとに随時更新されています。
(C) 施主や発注者が「使いたくなる仕掛け」
木材を使ってもらうには、補助金や見える化の工夫が効果的です。
■国の補助金
・JAS構造材実証支援事業:非住宅でJAS材を使うと調達費の一部を助成
・都市木材需要拡大事業:都市部でJAS材や内装木質化、木製サッシを使うと助成
・花粉症対策木材利用促進事業:住宅でスギJAS材を使う工務店に補助
■千葉県の補助金
・ちばの木ふれあい空間創出事業:公共施設や展示効果のある施設で県産材を内装に使うと、最大400万円の補助
■見える化の工夫
・JAS材に押されているスタンプやシールには「等級・含水率・樹種」などが書かれている
・これを館内掲示やパンフレットに載せることで、「品質が見える木」としてPRできる
■県外の加工も活用
・県外の認定業者に加工を依頼しても、「千葉産+JAS材」として公共案件に供給することが可能
(D) 数字で説明する(説得力アップ)
「国内製材のJAS格付率はまだ少ない(全体で13%、構造用でも27%)」と伝えることで、選べば差が出ることを強調できます。
また、2025年改正の3つのポイント(構造計算範囲の拡大/品質確認の義務化/柱小径の緩和)を一枚の図で示すと、JAS材採用の合理性を理解してもらいやすいです。