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(要点と現場でのメリット)
● JAS制度とは? JAS(Japanese Agricultural Standards)は「農林物資の日本農林規格」のことです。 木材に関しては、国が定めた規格に沿って品質を確認し、JASマークをつけられる制度です。 認定を受けた工場が検査を行い、寸法・乾燥具合・強度・見た目などが基準通りであることを保証します。 → この木材は品質が安定していて安心して使えるという証明になります。
● JASマークで確認できること(現場で注目すべき点) ・含水率の区分(例:D15=含水率15%以下、D20=20%以下など) ・等級(見た目で判断する「目視等級」、機械でヤング係数を測る「機械等級(E値など)」) ・樹種・寸法・保存処理の有無 など これらがきちんとラベルに表示されています。 ● 構造計算に使える理由 建築物を設計するときは「この木がどれくらいの力に耐えられるか」という基準強度を使って計算します。 JAS材は、この強度が国の告示(建設省告示第1452号)で決められているので、安心して数値を使えます。 無等級の木材(規格外材)より高い強度が認められるため、柱や梁の断面を効率的に設計できるのがメリットです。 ● スギ製材の基準強度(例) 例えば「目視等級・甲種1級」のスギ材だと: ・圧縮強度 Fc:21.0 N/mm² ・引張強度 Ft:18.0 N/mm² ・曲げ強度 Fb:29.4 N/mm² ・せん断強度 Fs:3.0 N/mm² 等級や分類によって数値は変わります。 乙種は主に圧縮強度だけが定められている点も特徴です。 ● 2025年4月の建築基準法改正でのポイント 法改正により、JAS材の価値はさらに高まります。 ・構造計算が必要な範囲が広がる(延べ床300㎡超から必須) ・木材の品質確認が必要な建物が増える(200㎡以下の平屋を除き、ほぼすべて対象) ・仕様規定の緩和:JAS材なら柱の直径を小さくしてもよい → 「強度がはっきりしているJAS材のほうが有利」という流れになっています。 <まとめ> JAS制度は、強度や品質が保証され、設計で有利に使える木材です。
次回は、JAS制度と県産木材について、お話します。
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