NSJ住宅性能研究所

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県産木材シリーズ5

JAS制度~もくネットちば 概要

● JAS制度とは

JAS制度は「木材の品質を国が定めたルールで保証する仕組み」です。

国に登録された機関が工場をチェックして認められると、その製品は JASマーク をつけて出荷できます。

乾燥具合や寸法、強度が一定の基準で保証されているので、建築設計で行う構造計算に直接使える数値(基準強度)が決まっています。


● 2025年4月からの建築基準法改正

木造建築のルールが厳しくなります。

・延べ床面積 300㎡超の建物は必ず構造計算が必要
・木材の品質確認が必要な建物の範囲が広がる
・JAS材なら柱の太さを少し細くしてもよいという特例ができる

つまり、今後は 「JAS材を使った方が有利」 になる方向です。


● JAS材の普及率(現状)

国内で生産される木材のうち、実際にJASマークがついているのはまだ少なく、

・製材全体:13%
・構造用製材:27%

しかありません。
→ これからは供給を増やすことが大きな課題です。


● 千葉県の県産材の現状

千葉の木材は、台風被害や世界的な「ウッドショック」の影響で一時的に値上がりしましたが、その後は落ち着き、価格は下がり傾向です。

ただし、コロナ前よりはまだ高めの水準にあります。


● クリーンウッド法(合法性の確認)

2025年4月から、木材が「ちゃんと合法的に伐採されたものか」を確認・記録するルールが強化されます。

木材が生産地から建築現場まで流通する途中でも、合法性を証明するリレー(つなぎ)が欠かせなくなります。


● 千葉で役立つ仕組みや制度

「ちばの木認証」制度:千葉県産で合法な木材であることを伝票(販売管理票)で証明し、ブランド化できる。

■ちばの木ふれあい空間創出事業:公共施設や展示効果の高い民間施設で、内装を県産木材で仕上げると最大400万円の補助が出る。
■国の支援制度:
・JAS構造材実証支援事業(非住宅でJAS材を使うと助成)
・都市木材需要拡大事業(都市部でのJAS材や木製内装を助成)
・花粉症対策木材利用促進事業(住宅でスギJAS材を使うと助成)


● 千葉県木材利用ネットワーク(もくネットちば)

木材利用を広げるための「交流と情報交換の場」です。

・シンポジウムを開いたり
・木材の使い方に関する情報を発信したり
・新しい製品の開発や販売で協力し合ったり

県内の森林関係者や設計者、工務店などがつながるための基盤になっています。


<まとめ>

これからの建築では 「JAS材を使うことが設計・確認・補助金の面で有利」です。

千葉県では「ちばの木認証」や「もくネットちば」を活用し、公共・民間どちらでも県産材を広める仕組みが動いています。



次回は、JAS制度について、お話します。

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