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千葉県は、国の法律に合わせて2023年に「木材をもっと使うための県の方針」を改めました。 この方針では、「伐って・使って・植える」という森林の循環サイクルを大切にしながら、二酸化炭素を減らして地球温暖化対策に役立てることを目指しています。 具体的には、 ・新しい木造技術(たとえば CLT=大きな板材や火に強い木材)を普及させる ・設計者や大工さんのような人材を育てる ・県と企業が協力して木材利用を広める協定制度を進める ・一般の人にも木材利用の良さを知ってもらう啓発活動する などをひとまとまりのパッケージとして取り組んでいます。 また公共建築では、低層の建物は基本的に木造にする方針です。 難しい場合でも、内装(壁や天井、床など)に木を使うことを推進しています。 鉄筋コンクリートと木を組み合わせた混構造や、土木施設、バイオマス機器、家具や文房具にまで木を使う場を広げています。
■県産木材「ちばの木」の利用 ・ちばの木認証制度 千葉県の森林から取れた合法的な木材であることを証明する仕組み。 どこで伐られて、どのように流通しているかが分かるので、安心して使えます。 ・「ちばの木づかい」CO₂固定量認証 一定以上の県産材を使った建物について、木材がどのくらい二酸化炭素を吸収・固定しているかを数値化して証明。 住宅や小規模施設で「環境にやさしい建物」とアピールできます。 ・木材利用促進協定 県と企業が協定を結び、木材利用の計画を公表。 企業にとっては信頼性アップや広報効果にもつながります。 ■千葉県の森林の特徴 ・面積と特徴 千葉県の森林面積は約14.5万ヘクタールで、県全体の約28%を占めます。 全国平均より少なめです。 91%が私有林なので、地元の人や企業との協力がとても重要です。 ・分布 森林の7割は房総丘陵にあります。 千葉は常緑広葉樹林の北限に位置し、南斜面には常緑樹、北斜面には落葉樹が多いという「モザイク状」の特徴があります。 ・樹種の違い 〇内陸部:スギ・ヒノキ人工林 〇太平洋側~南部:シイ・カシ・タブなど常緑広葉樹 〇北西部:コナラなど落葉広葉樹 〇沿岸部:マツ林 歴史的には、千葉はスギの良材が採れる地域としても知られてきました。 ・市町村の取り組み 千葉市や船橋市など、多くの自治体も木材利用の方針を整えており、県産材の利用を積極的にサポートしています。 ■森林資源の循環利用(伐って・使って・植える) ・基本の考え方 木は伐って使ったら、その後また植えて育てる。 この循環を守ることで、森の働き(防災や環境保全)を持続させ、地域経済にもつなげると県は明言しています。 ・現場での実際 例えば2022年度には630ヘクタールで間伐や手入れが行われています。 伐採後に確実に植林し、継続して森を育てることが大事です。 ・制度の支え 県は「森林環境譲与税」というお金を活用し、市町村の森林計画や、ドローン・レーザーなどを使った最新の森林情報整備を支援しています。 ・「使う」の見える化 木を使うと、どれくらい二酸化炭素を減らせるかを数値で示す仕組み(CO₂固定量認証)があり、建物の完成時にパンフレットやサインで示せば、利用者や施主に「環境にやさしい建物」として強くアピールできます。 <まとめ> 千葉県は「森林を守りながら積極的に木を使い、再び植えることで、環境と地域を両立させる」という考え方を明確にしています。
次回は、千葉県の県産木材に対する主要施策1(①~③)について、お話します。
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