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中大規模の木造建築では、とても大きな力(耐力)に耐える必要があります。 そのため、主に住宅用として開発されてきた木造ラーメン工法では、強さが足りないことがよくあります。
大きな課題は2つです。 ① 靭性(じんせい)の確保 靭性とは:地震などの大きな力を受けたときに「壊れにくさ」や「粘り強さ」を示す性質です。 木材は、めり込み(押しつぶされる力)以外では終局状態で粘りが少なく、脆く壊れやすいという弱点があります。 工夫として、木材ではなく鋼材(鉄)部分が先に変形・降伏するように設計します。 例:接合部の鉄筋をあえて細くして、その鉄筋が先に変形し、建物全体が壊れる前に力を逃がす。 ② パネルゾーンの設計 パネルゾーンとは:柱と梁が交わる四角形の「節(ジョイント)」部分です。 この部分には大きなせん断力(ずれようとする力)が集中します。 木材のせん断強度(ずれに対する強さ)は低いため、そのままでは壊れやすいのです。 そこで次のような工夫が行われています: ・パネルゾーンをPCa(プレキャストコンクリート)部材に置き換える ・パネルゾーンだけを鉄骨造やSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)にする <まとめ> 中大規模木造ラーメン工法の課題は ・靭性の確保 ・パネルゾーンの強化 解決の方向性としては、「鉄やコンクリートを部分的に組み合わせる」というハイブリッド設計が重要になってきています。
今や当たり前となった、「サステイナブル」や「SDGs」という言葉。 木造建築物は、地球環境にやさしい構法と言えます。森林の活性化のためにもとても重要です。 次回から、「県産木材」シリーズについて、お話していきます。
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