NSJ住宅性能研究所

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2025年4月 建築基準法改正 ~見直し内容にフォーカス~46

CLTパネル工法の構造

CLTパネル工法には、大きく分けて 3種類のパネル が使われます。

・小幅パネル

幅が狭いパネルで、無開口の壁や小さな腰壁・垂れ壁を組み合わせたものです。
→ 輸送や現場での取り扱いは楽ですが、接合部(つなぎ目)が多くなります。


・大版パネル①

大きなパネルを使い、窓やドア部分をくり抜いて作るタイプです。

地震で建物が壊れるときには、開口部の脇に割れが入ることを許容する設計です。


・大版パネル②

大きなパネルを同じように使いますが、割れを許さない設計です。

日本の設計基準で使える「ルート1」計算方法では、この一体型の大版パネル②は設計できません。



■日本での課題と工夫

日本は地震荷重が大きいため、ヨーロッパのようにシンプルな金物で固定するだけでは不十分です。

パネルが地震で回転しようとするのを止めるため、靭性のある(壊れにくく粘り強い)接合方法が求められています。

CLTパネルは「面」で耐える力が強いので、必ず接合部周辺で壊れる想定になります。

これは鉄筋コンクリートの壁式構造に似ています。

標準的な方法としては、壁端に鉄の棒を通し、座金で固定する「引張ボルト型」が例示されています。

実際の細かい仕様はメーカーごとに開発していくことになります。


■日本の都市環境との関係

日本の敷地は狭く、道路も細いことが多く、大きな重機も電線などで制限されます。
→ そのため 大きなパネルは不向きな場合があります。

CLTパネル工法が活躍できるのは、

・集合住宅
・都市部の狭小な商業建築

などが想定されます。

「CLTパネル工法」として建物全体に使うだけでなく、耐力壁や床板などの部分的な利用も有望です。


<まとめ>

・CLTパネル工法は「小さく分割されたパネル」と「大きな一体型パネル」に分けられる
・日本は地震荷重が大きいので、欧州式の簡単な固定ではなく、壊れにくい接合部の工夫が必要
・狭い敷地や都市部での集合住宅・商業建築に向いている



次回は、CLT以外の材料について、お話します。

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