NSJ住宅性能研究所

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2025年4月 建築基準法改正 ~見直し内容にフォーカス~41

高倍率の面材耐力壁

大きな木造建築(多層・大規模建築)をつくるときには、普通の住宅に使われる耐力壁(地震や風に耐えるための壁)では強さが足りません。

そのため、より強い耐力壁が必要になります。


1. 壁倍率の限界

木造住宅の設計基準では、「壁倍率」という指標があり、最大で7(13.7kN/m)までとされています。

しかし、学校やオフィスなどの非住宅建築や多層建築では、この強さでは足りません。

実際には「壁倍率」という概念を超える強度が必要です。


2. 強度の決まり方

面材(合板など)を張った耐力壁の強さは、次のどちらか弱い方で決まります。

・釘と木材の接合部の強さ
・合板そのもののせん断強さ

多くの場合、釘接合部の強さが弱点になります。

壁全体の強さは「どれだけ釘が強いか・どれだけ密に打たれているか」で決まるのです。



3. 強くする方法

・釘を密に打つ:昔は15cm間隔が基準でしたが、今では7.5cm間隔まで認められています。
・強い釘を使う:一般的だったN50よりも太いCN50、長いCN65・CN75などが使われるようになっています。


4. 合板の厚み

釘を強化すると、今度は合板自体が壊れやすくなるため、より厚い合板が必要です。

近年は 厚さ24mmの合板 を使い、CN75釘を75mm間隔で2列打ちするなどの仕様が開発されており、これにより 30kN/m程度の耐力壁 が可能になります。


5. さらに必要な工夫

多層建築の下の階では、耐力が足りない場合があります。

ゼネコンなどは、自社で CLT(直交集成板)を使った耐力壁 など、さらに強い壁を独自に開発しています。


<まとめ>

普通の木造住宅に使う耐力壁では、大きな木造ビルには強度不足です。

そこで「釘を増やす」「釘を強くする」「合板を厚くする」といった工夫で強化しますが、それでも足りない場合は、CLTなど新しい材料や工法が必要になります。



次回は、高耐力の筋かいについて、お話します。

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