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2025年4月 建築基準法改正 ~見直し内容にフォーカス~36

中大規模木造建築物の規模

■中大規模木造建築物とは?

まず、「中大規模木造建築物」という言葉が指す大きさについて整理します。

もともと「公共建築物木材利用促進法」では、対象は、3階建て以下とされていました。

しかし近年では、10階以上の木造建築物 まで建てられるようになっています。


■歴史的な背景

・1960年代〜1980年代前半
木造建築はほとんどが戸建て住宅の規模に限られていました。

・1980年代後半以降
「大断面木造建築」という技術が広まり、体育館のような大きなスパンを持つ木造建築物も造られるようになりました。

階数の上限は実質的に3階建てまででした。

このため、木造の世界で長く活動してきた人から見ると、4階建てでもかなり高い建物に感じられます。



■「中層」「中大規模」という表現について

一般の鉄筋コンクリート造や鉄骨造の世界では、4階建てを「高層」や「中層」とは呼びません。

そのため、木造においても「高層」というより「中層木造」と表現することがあります。

「中大規模木造建築物」という言葉も、他の構造(鉄骨造やRC造)でいう「中大規模」とは意味合いが少し違います。


■現在の定義の目安

こうした背景を踏まえると、現在「中大規模木造建築物」とは、

・おおむね4階建て以上
・延べ床面積 1,000㎡超

といった規模を指すと考えてよいでしょう。


まとめると、木造建築では「4階以上・1,000㎡超」が中大規模の目安ですが、鉄筋コンクリートや鉄骨造に比べると、同じ階数でも心理的な「高さ」の感覚が異なるのが特徴です。



次回は、第一次大型木造ブームについて、お話します。

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