NSJ住宅性能研究所

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2025年4月 建築基準法改正 ~見直し内容にフォーカス~26

四号特例縮小と壁量規定の見直し(背景)

1. 改正の背景

<これまで>

木造の小さな建物(2階建てかつ延べ面積500㎡以下)は、構造計算書などを確認申請に添付しなくてもよい 「四号特例」 がありました

<これから(2025年4月施行)>

特例が 平屋かつ延べ面積200㎡以下に縮小されました


目的は、

・省エネ基準のチェック対象を他の建物とそろえる
・木造2階建て住宅でも安全性をしっかり確認し、安心して購入できる環境をつくる


2. 猶予期間

改正前のルールも 1年間は併存。

建築現場が急に混乱しないよう、移行期間を設けています。


3. なぜ見直しが必要だったのか

1998年の法改正で確認・検査は厳しくなった一方、四号特例を活用した住宅で構造強度不足のトラブルが続出。

2020年からは図面や計算書の保存義務ができたものの、特例そのものは残されたままでした。

2022年2月の国交省審議会答申で、

・特例を縮小する
・近年の省エネ化で重くなる建物に対応し、壁量(耐力壁の量)や柱の太さなどの構造基準を強化する

ことが正式に提案され、今回の改正につながりました。



4. 改正のポイント

項目       これまで      2025年4月以降
四号特例の対象  木造2階建てかつ  平屋かつ延べ面積≦200㎡
         延べ面積≦500㎡
構造計算書の添付 不要(一部除く)  上記以外は原則必要
省エネ基準の             構造審査と同じ
審査範囲     床面積で差     床面積基準に統一
壁量・柱径など  従来基準      重量化に対応した
の構造基準              新基準を整備


5. まとめ

・四号特例が縮小 → 2階建て木造住宅でも構造計算がほぼ必須に
・省エネ基準と構造安全性の審査範囲をそろえ、安全で省エネな住宅を後押し
・移行期間は2025年4月〜2026年3月末。現場は早めの準備が必要



次回は、四号特例縮小と壁量規定の見直し(建築確認・検査対象の変更点)について、お話します。

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