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【木造の屋外階段の事故を受けた「工事監理ガイドライン」の整備】 ■ 背景 2021年4月、東京都八王子市の3階建て木造アパートで、木と鉄を組み合わせた屋外階段が崩落し、住人が亡くなる事故が起きました。原因は、木の部分の腐れ(腐朽)でした。 これを受けて、階段の設計や工事監理、完成時の検査、そして完成後のメンテナンスをより確実に行うためのルールが新しく整えられました。
■ 主な対策(3つの柱) ① 設計段階での防腐対策の明確化 木造の屋外階段をつくる場合、防腐処理(木が腐らないようにする処置)の内容を、設計図や確認申請書にしっかり書くことが義務化されました(2022年4月施行) どんな処理をすれば良いかのガイドライン(基準となる資料)も作成されました。 ② 工事中や検査時におけるチェックの強化 工事の途中や完成後の検査のときに、階段が木造かどうか・防腐処理がきちんとされているかを確認して記録する様式が整備されました。 審査・検査の担当者には、階段が見た目に覆われている場合でも、中が木かもしれないと考えて注意深く検査するよう通達されています。 さらに、「工事監理ガイドライン」にも、図面と実際の工事内容を照らし合わせて確認する方法などが追記されました。 ③ 維持管理(完成後の点検・修繕)のルール整備 完成した後の点検や修繕の方針を示すガイドラインが国によって整備されました。 また、定期的に実施される調査(定期調査報告制度)でも、木造階段のチェック項目や評価の基準が新たに加わりました。 ■ 木造屋外階段に関するガイドライン(ポイント) ・防水処理:雨から守るために、FRPやシートなどで防水処理を行う ・耐久性の確保:木が腐らないよう、薬剤処理を行う ・支持方法:人や物の重さに耐えられる、しっかりした支え方にする ・雨ざらしを防ぐ:できるだけ雨が直接かからない構造にする ・水がたまらない工夫:水が階段にたまらないような形にする ・点検可能な構造:専門家が点検できるような構造にする 事故の再発を防ぐため、設計・施工・検査・維持管理の各段階で、木造屋外階段に特化したルールが整えられたという内容です。
次回は、建築確認の見直しについて、お話します。
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