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■必要な壁の量に関する新しいルール(※建築基準法施行令第46条第4項などに関連) これまでの建築基準では、「軽い屋根」「重い屋根」といった大まかな分け方で、どのくらい壁が必要かを判断していました。 しかし、近年の住宅では、断熱材の増加や太陽光パネルなどにより屋根の重さが多様化しているため、こうしたざっくりした区分では対応しきれなくなってきました。 そのため、2025年4月からは、実際の建物の重さ(屋根・外壁・床など)をもとにして、必要な壁の量(耐力壁の長さ)を正確に計算する方法に変更されました。 新しい壁量の計算式: 必要な壁量(1㎡あたり)は、以下の式で求められます。 Lw =(Ai × CO × Σwi) ÷(0.0196 × Afi) ・Lw:床面積1㎡あたりに必要な耐力壁の長さ(cm/㎡) ・Ai:各階の地震時の力の分布(層せん断力分布係数) Ai = 1 + [(1 / √αi)- αi]× 2T /(1 + 3T) ・T:建物の固有周期(=0.03×建物の高さ(h)秒) ・αi:その階の重さが建物全体のどれくらいを占めているかの比率 ・CO:標準せん断力係数(普通は0.2、指定された区域では0.3) ・Σwi:その階が地震時に受け持つ重さ(固定荷重+積載荷重) ・Afi:その階の床面積(㎡) 補助ツールも使えます。計算は少し複雑なので、誰でも簡単に使えるように、 ・早見表(試算例) ・エクセルなどの表計算ツール が、日本住宅・木材技術センターのホームページで公開されています。
■準耐力壁も計算に入れられます(ただし条件あり) これまで計算に入れていなかった「準耐力壁」も、新しいルールでは一部、必要な壁の量としてカウントできるようになりました。 「準耐力壁」の性能(仕様や強さ)は、住宅の品質確保法(品確法)と同じレベルでOK。 ただし、準耐力壁が全体の壁量の半分以下しかない場合は、以下にはカウントされません。 ・壁のバランスの確認(四分割法) ・柱の上下の接合部の確認(N値計算など) <まとめ> 「軽い屋根/重い屋根」ではなく、建物ごとの重さに応じて壁量を計算。 計算式は複雑だが、ツールや表でサポートあり。 準耐力壁も一部カウント可能だが、使い方には注意が必要。
次回は、柱の小径に関する見直しの計算などについて、お話します。
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