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※2025年(令和7年)4月1日から施行 ■背景:なぜ見直すの? 最近は「高断熱・省エネ」の木造住宅が増えています。 たとえば、 ・厚みのある断熱材を使う ・天井を高くする ・トリプルガラスの窓を使う ・太陽光発電を載せる などにより、建物の重さが増えています。 これまでの基準では、「軽い屋根」か「重い屋根」かだけで必要な壁の量や柱の太さを決めていました。 しかし、今の建物の多様化に対応できなくなってきたため、実際の建物の重さに合った新しいルールに変わります。
① 壁量(建物を支える壁の量)のルール変更 【改正前】 「軽い屋根」か「重い屋根」かで、必要な壁の量を決めていた 【改正後】 「軽い屋根」「重い屋根」という分類をなくし、実際の建物の重さに応じて計算式で壁の量を決める 【さらに合理化された点】 ・これまで評価の対象外だった腰壁(下半分の壁)や垂れ壁(上の小さい壁)も、強い壁(耐力壁)の一部として計算可能に ・壁の強さ(壁倍率)の上限が5倍→7倍までOKに ・構造計算をして安全性が確認できている場合は、壁量計算を省略できる ② 柱の太さ(小径)のルール変更 【改正前】 階の高さ(階高)や「軽い屋根/重い屋根」に応じて、柱の太さを決めていた 【改正後】 「軽い/重い」の区分をなくし、建物の重さに応じた計算式で柱の太さを決める。 または、 柱の太さごとに「どれだけの床面積を支えられるか」を計算できるようになる。 ③ 設計をサポートするツールの導入 建物の条件(階高・床面積・屋根や壁の種類・太陽光パネルの有無など)を入力すると、 ・必要な壁の量 ・柱の太さ ・柱が支えられる床面積 などを簡単に自動計算してくれるツールが使えるようになります。 ④ 経過措置(旧ルールを使ってもよい期間) 以下のような比較的小さな木造住宅については、しばらく旧ルールのままでもOKです。 ・階数:2階以下 ・高さ:13m以下、かつ軒高9m以下 ・延べ面積:300㎡以下 ※この条件を満たしていれば、2026年3月31日までに工事を始める場合は、改正前の基準でも設計できます。 <まとめ> これからの木造建築は、 ・より正確に建物の重さに応じた設計が必要 ・新しい計算方法とツールで、柔軟で安全な設計ができる ・高性能な省エネ住宅も、無理なく設計しやすくなる という方向に進んでいきます。
次回は、木造建築の「壁量基準」の見直しの計算などについて、お話します。
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