NSJ住宅性能研究所

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2025年4月 建築基準法改正 ~見直し内容にフォーカス~7

建ぺい・容積の特例

建蔽率・容積率の特例許可の拡充(令和5年4月1日施行)

都市計画区域などでは、建物を建てるときに「建蔽率(敷地に対する建物の面積の割合)」や「容積率(敷地に対する延べ床面積の割合)」の上限が法律で決められています。

制限を超えることは基本的にはできませんが、特別な許可を得れば、例外的に超えることができる場合もあります。

これまでは「特別な許可」がもらえるケースは非常に限られていました。

一方で、地球温暖化対策として、建物の省エネ化(断熱性能を高めたり、再エネ設備を導入したり)が求められています。

たとえば、建物の外側に断熱材を追加したり、日差しを遮るために大きな庇(ひさし)を取り付けたりする工事です。

工事によって、建物の面積が少し増えると、それだけで建蔽率や容積率の制限をオーバーしてしまい、工事自体ができなくなるという問題がありました。

法改正が行われ、以下のような省エネ改修工事については、「建物の構造上やむを得ない場合」に限り、必要最小限であれば建蔽率・容積率を少し超えても許可できるようになりました。

(※安全性・防火性・衛生面に問題がないことが前提です)



■特例の対象となる工事の例

・外壁に断熱材を取り付けて、熱が逃げにくいようにする工事
・日射を遮る庇(ひさし)などを取り付けて、省エネ性能を高める工事
・再生可能エネルギー(例:太陽光発電)を使うための設備を外壁に設置する工事


■「構造上やむを得ない」例

・断熱改修によって外壁が厚くなり、建物の面積が少し広がる
・庇を設けた結果、建物の建築面積が増えてしまう


改正とは別に、「再エネ利用促進区域」に指定された地域では、省エネ法に基づいて高さ・建蔽率・容積率の特例制度も令和6年4月からスタートしています。



次回は、住宅の機械室が容積率に入らないための新しい制度について、お話します。

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